葵・二・葉・/・紅・三・葉・イ・ン・タ・ビ・ュ・ー・
【作家近況報告】
葵二葉/「テニスの王子様」のミュージカルにハマっていました。いまは…
紅三葉/好きなタイプは、ずっと昔から岸辺一徳。結婚してもいいほどとのこと。
やんちゃ仔ネコとおっとり仔ネコと、ミニチュアだけどとっても大きなダックスフンドと現在熱烈同居中のおふたりです(ほんっとに可愛いのです。写真を見てネ)
(前フリ)
ふたりなのにまるでひとりのよう。お話をうかがっているとそんな感覚に陥ってしまう、まさにあ・うんの域に達したふたり組のマンガ家さん登場です。合作に至ったふたりの出会いから創作の秘密まで、ねほりはほり聞いちゃいました!
合作の秘話
―― ふたりのペンネームの由来を教えて下さい。
紅:ボーイズ以外で、佐野真砂輝&わたなべ京名義でまずデビューしていたんですが、ボーイズのマンガを描くときに、あらたにペンネームを考えたほうがいいんじゃない? という話になりまして。まず最初に葵二葉、という名前があったんですけど。
葵:色や音が対になったり、対照的になるようなものがいいねって。佐野&わたなべのときみたいに統一性がないのもなあ…と。
紅:二葉だから三葉だろう、みたいな(笑)あまり深い意味はないんです。
―― デビューのきっかけは?
葵:同人誌で描いていたシリーズを描いてみませんかと、出版社さんから声をかけていただいて。
紅:で、イヤです…と。
―― 嫌です??
葵:同じものは描きたくないから。それなら舞台設定は同じだけど、違うキャラクターでならやりますといって(笑)できあがったのが。
紅:『プラチナ』です。
―― お話を考えるところからおふたりで作られるのでしょうか?
葵:ふたりのときもあれば、片方が考えるときもあります。でも、だいたいどちらかが考えたほうがまとまりやすいですね。話合いながら考えていくとなかなかまとまらないんですよ(笑)。
紅:趣味趣向が微妙にズレていて。
―― 本筋をどちらかが考えてから、それに肉付けしていくという。
葵&紅:そのほうが多いですね。
葵:たとえば、プロットを紅が書いてきて、それを見てここが足りないんじゃない? 変なんじゃない? という感じで。ちなみに、『花恋』の作品はほとんど紅が考えてます。
―― 主軸が変わると、ならではの個性というか、話に差はでますか?
紅:基本的にはあまり変わらないと思うんですけど……。
葵:えっ、全然違うと思う。たとえば、私はBL系の王道パターンを踏襲しがちなんですが、紅はちょっと冒険する。
―― 紅さんは、アイデアマン?
紅:いや、そういくといいんですけど、ホームラン狙って内野ゴロみたいな…(笑)
―― 意見の相違でもめたりとかは?
葵:そんなのしょっちゅうですよ(笑)。折り合わないときは、編集さんに聞きます。編集さんに聞いてみて、それに従えばいいじゃんって。
―― やはり、忌憚なく意見を述べあうことが鉄則?
葵:お互いに、遠慮が欲しいよねって思うときもあるんですけどね。
紅:歯に衣きせようよって(笑)。
葵:でも他に合作されてる方もそうだと思うんですけど、遠慮してたら続かないな〜。
始まりは遠距離から
―― 当然、最初はひとりで描かれていたわけですよね。
葵:もちろん、出会う前もマンガは描いていましたので。
紅:ふたりでデビューしたわけですが、その前に同人誌時代というのがありました。
葵:ただ出会って合作をやってみようか、と始めましてからはずっとふたりで。それで、紅を大阪から呼び寄せまでしたという。
紅:私は大阪出身なんですが、最初の二、三年は、東京大阪間で合作をやっていました。
―― どうやって?
葵&紅:新幹線便です。
紅:何回かやりとりして作品を完成させていましたね。
葵:下書きの段階できて、ペン入れまでしてまた返して。
紅:で、足りないところを描き入れてまた戻して。品名がいつも「原稿」で、送ったらまたすぐ戻ってくるから、顔なじみになっていた新大阪駅の新幹線便のおじちゃんは、私がどこかに投稿していると思ってたみたいで。「また今度もダメやったんか?」って(笑) まだ葵が会社勤めだったので、会社に送りつけるわけですよ。だからよけいにおじちゃんに「ああこいつ、またダメだったんだ」て思われて。しまいには「運転手さん待ってるから、はよ持っておいで」っていわれたり(笑)。
二人の原点
―― どうして、合作してみようと思われたんでしょう?
葵:もう覚えてないですね(笑)。同じドラマが好きだったわけですが、好きなキャラクターが別れていたんです。
紅:むかしむかしね…。たぶん、お互い「私はこのキャラが好きなんだ」「そうか私はこっちが好きだ」「じゃあ一緒に描いてみるか!」くらいのノリだったと思うんですけど。
―― ちなみに、何の同人誌を?
葵&紅:『必殺仕事人シリーズ』です。
―― 誰がお好きだったんですか?
葵:紅は村上弘明さんのやっていた花屋の政さんが好きで、私は京本政樹さんのやっていた、組紐屋の竜さんが好きでした(笑)。
紅:必殺シリーズで腐女子的な遊び方があると知ってキラキラ☆みたいな(笑)。そして当時、必殺パロディ界で、一番輝いていたのが葵だったんです。
―― SFも描いてらっしゃるけれども、あれはどちらの趣味?
紅:単純に「SF」とくくるともう古いかな。SFファンタジーですね。私は子供の頃からSFをわりと読んでいて、そういうのが積み重なって出てくるんだと思います。
―― どういうSFを読まれてましたか?
紅:竹宮恵子さんの『地球へ…』とか。いまアニメでやっていますが。
―― 24年組ですね。萩尾望都さんとか?
紅:萩尾さんは読んでないですね。竹宮恵子さんと少年マンガと海外小説。あとは平井和正さんの『幻魔大戦』。菊地秀行さんのファンでもありました。ああいう、SFともファンタジーともつかないあたりが好きなんですよ。
―― 伝奇SFですね。
紅:そう! 『魔王伝』の最初のあおりが、確か「伝奇SF」だった! 実はふたりで合作しはじめたマンガが、菊地秀行さんの『魔王伝』のパロディなんですよ。
―― 魅力はなんだったのでしょう?
葵:キャラクターの二面性に惹かれましたね。末弥純さんのイラストもすばらしかった。
―― ソノラマ文庫を読んでらっしゃったわけですね。夢枕獏とか菊地秀行とか。天野喜孝さんの絵を見て、うるわしいとか。
紅:あの時代、あの人しかいませんでしたからね。『キマイラ』も『D』も天野さんでしたから。
―― 葵さんは、何をきっかけにマンガを描かれ始めたのでしょう?
葵:学生時代に、『J9』シリーズという系列のアニメがあって。その中の『銀河旋風ブライガー』の同人誌を読んで、面白そうだなと思ったのがきっかけですね。その前は、音楽が好きで、学生時代はずっとバンドをやっていたんです。当時もマンガを読んではいたんですが、自分で描いたり想像したりするのには至らなかった。
好きの積み重ねが“愛”
―― 趣味は?
葵:ふたりともゲームは好きです。あとは、映画を見に行ったり、海外ドラマも好きですね。昔からケーブルTVに入ってて、海外ドラマはブームになる前から見てました。いまドラマに関しては絶対に日本より海外が面白いですね。
―― 一番好きな海外ドラマは?
葵:『サードウォッチ』っていう長期連載のシリーズがあるんです。NYの警察と消防が舞台なんですけど、それが好き。途中で『ER』のキャラクターがでてきたり、9、11事件が絡んできたりと。
―― ノンフィクション風なものに魅力を感じる?
葵:日本のドラマって、感情の描き方が嘘っぽすぎて。お芝居が大げさすぎてリアルじゃない。でも海外のドラマってすごくリアルに作ってあります。感情表現がベタじゃないし、これならありそうと思ってしまいますね。とても自然に見られます。
紅:私たち、群像劇が好きなんですよ。出てくる全員が主役っていう話が好きなの。
―― それが少年マンガ好みに繋がってくるわけですね。
紅:最近は、少女マンガと少年マンガの境目がなくなりましたが、そういうのもいいんですけど、これは少年マンガでしか描けないというものへの憧れはありますね。
―― 『WEST END』で、少年の頭をつぶすシーンが出てくるんですよね。少女マンガではあまりみない…。それもやっぱり、少年マンガや菊地秀行さんの影響が?
紅:あ、菊地さんの影響はあるのかもしれない。
葵:変に綺麗にしたくないというのはありましたね。
紅:いい意味で裏切っていきたい。読者に、そう来るかっ! って思ってもらいたい。ボーイズであんまりそれをすると冒険になっちゃうから、気をつけないといけないなぁとは思うんですけど。
―― 『WEST END』の中には、愛という表現がでてきませんね。そういうところも少女マンガらしからぬ。あえてその言葉は使わなかった?
葵:そうですね。
―― あるいは主人公のトナミが、人間ではないので、愛の感情を理解できないからかな? と勘繰りもしたんですが。
紅:言葉にしちゃうのは簡単じゃないですか。
葵:あのキャラクターは「愛してる」とか、絶対言わないと思います。愛とか、そういう言葉でくくれる感情じゃないし、世界観的にも、「愛してる」って言葉があったらすごく浮いちゃうと思うんですよね。「好き」でとどめておかないと。
でも確かにわたしたち、「愛してる」って言葉を使わないよね。
紅:「好き」が多い。
―― それはなぜ?
紅:愛って言葉はやっぱり強いんですよね。三十ページかけて描いたものでも、「愛してる」のひとことで終わっちゃうことがあるんですよね。それはつまんない。
葵:「好き」の積み重ねが…。
―― 愛?
紅:そこまでいったら、わかるだろうっ!って。あえて言わなくても、わからせたいんですよね。
互いのキャラに魅かれます
―― 最初から紅さんが攻、葵さんが受と、描きわけは決まっていたんですか?
紅:『魔王伝』の頃からもうそんな感じでしたね。もともと私は攻のキャラが好きだったので。
―― 攻を描かれるときは、受のキャラクターを、可愛いと思いながら、やはりお描きになる?
紅:そうでなきゃ描けませんよ!
―― お互いのキャラクターに憧れてる?
葵:彼女の攻キャラを見ていて、すっごくかっこいいなあとは思いますね。だから、お互いクレームも言い合いますしね。たとえば可愛くない顔をしてたら、この角度変じゃない? とか。顔に感情が入ってないよ、とか。
紅:私は攻キャラを描いてるほうなので、受キャラからみた男のかっこよさって、実はわからないんですよね。また男からみた、男のかっこよさも実際にはわからないですし。 まあ、本当のところ、女の子には男性の気持ちまではわからないわけですよ。みんなそこまで考えて描いているのかな? そんなことはないだろう(笑)。
葵:ボーイズはファンタジーだと思っているので。リアルさを追求してはいないんです。
紅:男性作家さんに、「君たちのやおいシーンはきれいだよね」って言われたことがあるのも、やっぱりファンタジーだからかなと。
腐女子のたしなみ
―― ボーイズに目覚めたきっかけは?
葵:『必殺シリーズ』です。妄想が突如浮かんできて。
―― どういう妄想ですか?
葵:えぇ(照)、覚えてないなあ。 海外ドラマものに、特に多いんですけど、男同士のコンビ! あれなんですよね。
紅:普通に愛しあってるよね(笑)。
―― 相棒ものに興味がある?
紅:ホモ好きの女の子たちはみんなそうじゃないかな? 男ふたりいたら、何か妄想しますよ。
葵:あの人とあの人が仲良かったらうれしいなっていう、そういう発想がボーイズの原点なんだと思います。でも、なぜかその中に自分はいないんですよね。あくまで、観る側。観て、いいなぁとか、すてきだなぁ、おもしろそうだなぁ、っていう。ほんとうに、自分の世界とは、別の世界なんですよ。
紅:そこらへんが、ファンタジーたる所以
メイキング・オブ・ファンタジー
―― 読まれるときにはキャラクターに感情移入されてるんですよね。
葵&紅:そういえば、読むときは。
紅:ここでこうなればいいのに、なんでそうなるの、ううっ、とか。
―― それを、妄想で作りかえると、パロディになるんですね。でも、パロディを描くときには自分は投影しないという。
紅:投影されるとオリジナルになっちゃいますからね。
葵:パロディを描く場合は、なるべくキャラクター像を壊さないように気をつけますね。キャラクターを最大限に利用して描く。
―― それがボーイズの始まりという、自分はあくまで観る立場という。
紅:もっとなかよくなればいいのに、って。このコマの間に絶対何かしてるっていう。
―― ということは、話の中には自分の幸せは投影しない?
葵:しないですね〜。マンガを考えてる時点で、自分は全く投影されてないんですね。ひとつの話を描きたい、作品を作りたいっていう観念で考えますから。そこに自分の入る余地はないし、入れようとも思わない。
―― 自分が投影されない? じゃあ、『必殺仕事人』も? キャー? すてき、京本政樹様と結婚したい? ってところから始まったのではないのですね。
葵:とんでもない(笑)。京本さんがやった組紐屋の竜さんや、村上さんがやっていた花屋の政さんがかっこよかったのであって、キャラクターと結婚したいにはならないんですよ。そこまでいっちゃう人が、ドリーム小説を書く人たちで、いかないのがボーイズを描く人たちなんです。
―― 「ぼくはいらない子、必要とされない子」っていうセリフが出てきたり、いま『花恋』で連載されている作品も、借金のかたに売られたり。阻害され傷ついている人間がよく登場しますが、そこにも、自分は投影されてないんですか?
紅:全然。でもそういうノリは好きですね。自分でグチグチ考えてて、最終的に攻にひっぱりあげられるっのが、きゃ〜素敵? っていう。読んでる方にも素敵って思ってもらえる、一番わかりやすい王道パターンじゃないですか。自分が助けあげられたいわけじゃないんです。
―― 助けてあげたいほう?
紅:うーん、そうかもしれないですけど、だからといってそこには自分が入っているかっていうのは別の話で。映画を観てるようなものですね。「そこで、助けてあげて!!」「わー、やったぁかっこいい!!」みたいな。
葵:マンガ家って、監督であり、脚本家であり、演出家でもあるから、そこに自分が入ってちゃあ、客観的に見られなくなる。
紅:自己満足なものにしかならないから。
二人の未来
―― マンガ家になって良かったこと、悪かったことを教えてください。
紅:普通の人生を送っていただけじゃ知りえないことをいっぱい知りえたし、会えない人と知り会えたこと。それはやっぱり財産。その反面、普通の生活で失ったものはたくさん…(笑)。 九時五時の生活を送っていれば、人生もっと楽だったのかなって。でも、朝九時に起きられないよな〜。 高校を卒業して短大に進むときも、美術系は考えたこともなくて、短大の歴史学部に進みまして。それで歴史を専攻していたからといっても、将来歴史マンガを描こうなんて全然思ってもみなかった。上京したのも就職す
るために上京したのであって、マンガ家になれるなんて思ってもいなかった。一生趣味で描いていけたらいいな、とは思っていましたが。
葵:良い点はマンガ自体が、好きなもの、表現したいものをカタチにできる仕事だってこと。悪い点は、ひきこもりになりがちになること(笑)。運動不足になったりとか。時間に区切りのない仕事なので、普通の社会人みたいに、夜も自由ではないですから。メリハリがなくなるの。そういうところですかね。
―― ふたりでやって、良いところと悪いところは?
紅:良いところは仕事量が半分のところ(笑)。悪いところは、四六時中一緒にいることになっちゃうから、お前は飽きた〜みたいな(笑)。刺激が欲しい〜みたいな。
―― 今後はどんな作品を?
紅:佐野&わたなべ名義でもっと描きたいし、ボーイズでももっと描きたい。常になんでもチャレンジしていきたいですね。パターンにはまって、これを描いときゃいいやってなっちゃうと、つまんないと思う。
葵:いままで描かなかったジャンルに挑戦したいです。あとは、最近描いてないので、少しアクションがあるようなマンガを描きたいな。
―― 受攻を逆転して描いてみたいとは?
葵:今のところないですね。まあ、機会があったら。
紅:それこそ、読者を裏切る最大のサプライズだよ。
―― 『花恋』でぜひ(笑)。では最後に、読者の皆さんに一言。
紅:何をしてもついてきてくださいね?
葵:読んでもらえるだけで作家は嬉しいので、読みつづけてもらえたら。
―― 今回は、ありがとうございました。
2007/12/13
2007/06/05
みさと美夕稀インタビュー 2
【みさと美夕稀プロフィール】
3月10日生まれ。うお座。O型。スリーサイズは全体的にミニマムサイズ(本人談)。
1988年。成人向け漫画家として大洋書房「イチゴみるく」にてプロデビュー。同社が新創刊した成人向け雑誌「ポプリクラブ」にてはじめてのシリーズ連載を経験。
1993年。大洋図書「SHY」にてやおい漫画家デビュー。
1998年。白泉社小説花丸第二十回新人賞投稿作品「不肖の彼」にて文庫本デビュー。
現在に至る。
愛猫めると、同居人とともに東京の片隅にてひっそりと執筆活動中。


前回に引き続きみさと美夕稀先生に、質問シートに答えて頂く第2弾! 今回は先生の作品について聞いてみました。
************************************************************************************
■第2回目■
−−花恋では主にノベルズを書かれていますが、ノベルズならではの創作の楽しみはどんなところですか?
漫画なら一コマで終ってしまうようなシーンを、じっくり丁寧に書いたり、説明したりできること。
これは、ノベルズならではですよね。漫画ならいかに言葉を削って絵で見せるかということに苦心しますが、
ノベルズは、その逆なので。
日本語って、ほんとに表現の幅が広くて、書いていて楽しいです。
あと、イラストを自分で描かない場合は、容赦なく想像の箍を外します(笑)
自分で描く場合「私には表現できないな」「描けないな」と、自然に表現にセーブがかかってしまうんです。
なので、花恋では思う存分描かせていただいています。宮沢ゆら先生、本当にお疲れ様です(土下座)
−−ノベルズ「弁護士様の恋愛事情」、まんが「法律事務所の王子様」と、これらの弁護士シリーズが花恋でも好評です。弁護士を題材にしたのはなぜですか?
歴代の担当さんの方針で「なるべくまだジャンルとして未分化のものを題材にするように」と、作家としての役割分担をされていまして(笑)
なので、じつは弁護士モノもそういった理由からチョイスしました。1999年初出当時はまだ未分類のジャンルだったので。
その頃、ちょうど嵌まっていた海外ドラマ「こちらほげほげ法律事務所」の影響もあります。
当時の担当さんに「次、どういった職業の作品にします?」と言われて「じゃあ、弁護士モノで」と安易に。その後、海外と日本の弁護士のスタンスの違いや、法律、裁判所のシステムの違いに愕然となって一瞬後悔しましたが(笑)。知れば知るほど面白いです。法曹界。
−−三田村先生と穂村先生、三枝先生と西園寺先生。お気に入りのキャラクターはズ
バリ誰ですか? また、その理由をお願いします。(作品内のキャラクターであれば、 前述の4名に限定しません。ズバリお気に入りは誰ですか?
当然、全員お気に入りです(笑)
でも、じつは、花恋で連載させていただいている「弁護士様の恋愛事情」は「宮沢ゆら先生のイラストありき」の作品なんですよ。他社で仕事をすることになったときに、イラストレーターを選んでくださいと言われまして。
選ぶということじたいがおこがましいですし、そんなこと言われたのがはじめてだったので、そりゃもう気合を入れて何人かのイラストレーター候補さんのHPを見ていて宮沢先生のサイトを見させていただいた瞬間「あ!この絵が欲しい!」と。
宮沢先生の描いた男の子の絵がとにかく可愛くて。
一目惚れです。この少年をなんとか作品に登場させたいなと。
そのとき「法律事務所〜」の脇役だった西園寺を主役にして弁護士モノを書くというところまでは決まっていたのですが、まだ相手役が決まっていなくて(笑)
でも、西園寺は少年と恋愛ってタイプじゃないから…。そうだ!子持ちのやもめ弁護士という設定にすればいいんじゃない!と。
こうして私が一目惚れした宮沢先生のイラストの男の子が、三枝というやもめ弁護士のひとり息子、春樹になったという。ということは、春樹が一番なのかなぁ?
でも、毎回色気を増していく三枝くんも好きですし。
西園寺は、毎度かっこいいですし。自分のキャラクターを褒めちぎっていて変態ですね。私(笑)。でも、宮沢先生のイラストのおかげで、話がふくらんでいったり、キャラクターが成長したりするので…。
あと、担当さんとの何気ない会話でもキャラクターへの愛情バロメーターが急上昇したり(笑)
答えになっていない回答ですみません。でも、どの作品のどのキャラクターも優劣無しに愛しいわが子みたいなものなので。
−−今後、花恋で描かれてみたい作品について聞かせてください。
「弁護士様〜」の番外で先日ちらっと書いた三枝の息子の春樹とその友人高田の恋愛未満のうぶうぶでういういな話が書きたいです。
あと、ごっっっついエロ漫画をいつか描かせてください(笑)。花恋でこんなもの描いていいのっっというようなやつを☆
もしくは、エッチのかけらもないコメディ漫画(笑)
でも、一番は、やっぱり「弁護士様の恋愛事情」を少しでも長く書かせていただけたらと思っています。
まだまだ伝えたいことがうまく伝えられなかったり、上手な表現方法を見付けられなかったり、至らない部分も多々ありますが、全力投球で参りますので。これからもどうぞよろしく御願いいたします。
3月10日生まれ。うお座。O型。スリーサイズは全体的にミニマムサイズ(本人談)。
1988年。成人向け漫画家として大洋書房「イチゴみるく」にてプロデビュー。同社が新創刊した成人向け雑誌「ポプリクラブ」にてはじめてのシリーズ連載を経験。
1993年。大洋図書「SHY」にてやおい漫画家デビュー。
1998年。白泉社小説花丸第二十回新人賞投稿作品「不肖の彼」にて文庫本デビュー。
現在に至る。
愛猫めると、同居人とともに東京の片隅にてひっそりと執筆活動中。


前回に引き続きみさと美夕稀先生に、質問シートに答えて頂く第2弾! 今回は先生の作品について聞いてみました。
************************************************************************************
■第2回目■
−−花恋では主にノベルズを書かれていますが、ノベルズならではの創作の楽しみはどんなところですか?
漫画なら一コマで終ってしまうようなシーンを、じっくり丁寧に書いたり、説明したりできること。
これは、ノベルズならではですよね。漫画ならいかに言葉を削って絵で見せるかということに苦心しますが、
ノベルズは、その逆なので。
日本語って、ほんとに表現の幅が広くて、書いていて楽しいです。
あと、イラストを自分で描かない場合は、容赦なく想像の箍を外します(笑)
自分で描く場合「私には表現できないな」「描けないな」と、自然に表現にセーブがかかってしまうんです。
なので、花恋では思う存分描かせていただいています。宮沢ゆら先生、本当にお疲れ様です(土下座)
−−ノベルズ「弁護士様の恋愛事情」、まんが「法律事務所の王子様」と、これらの弁護士シリーズが花恋でも好評です。弁護士を題材にしたのはなぜですか?
歴代の担当さんの方針で「なるべくまだジャンルとして未分化のものを題材にするように」と、作家としての役割分担をされていまして(笑)
なので、じつは弁護士モノもそういった理由からチョイスしました。1999年初出当時はまだ未分類のジャンルだったので。
その頃、ちょうど嵌まっていた海外ドラマ「こちらほげほげ法律事務所」の影響もあります。
当時の担当さんに「次、どういった職業の作品にします?」と言われて「じゃあ、弁護士モノで」と安易に。その後、海外と日本の弁護士のスタンスの違いや、法律、裁判所のシステムの違いに愕然となって一瞬後悔しましたが(笑)。知れば知るほど面白いです。法曹界。
−−三田村先生と穂村先生、三枝先生と西園寺先生。お気に入りのキャラクターはズ
バリ誰ですか? また、その理由をお願いします。(作品内のキャラクターであれば、 前述の4名に限定しません。ズバリお気に入りは誰ですか?
当然、全員お気に入りです(笑)
でも、じつは、花恋で連載させていただいている「弁護士様の恋愛事情」は「宮沢ゆら先生のイラストありき」の作品なんですよ。他社で仕事をすることになったときに、イラストレーターを選んでくださいと言われまして。
選ぶということじたいがおこがましいですし、そんなこと言われたのがはじめてだったので、そりゃもう気合を入れて何人かのイラストレーター候補さんのHPを見ていて宮沢先生のサイトを見させていただいた瞬間「あ!この絵が欲しい!」と。
宮沢先生の描いた男の子の絵がとにかく可愛くて。
一目惚れです。この少年をなんとか作品に登場させたいなと。
そのとき「法律事務所〜」の脇役だった西園寺を主役にして弁護士モノを書くというところまでは決まっていたのですが、まだ相手役が決まっていなくて(笑)
でも、西園寺は少年と恋愛ってタイプじゃないから…。そうだ!子持ちのやもめ弁護士という設定にすればいいんじゃない!と。
こうして私が一目惚れした宮沢先生のイラストの男の子が、三枝というやもめ弁護士のひとり息子、春樹になったという。ということは、春樹が一番なのかなぁ?
でも、毎回色気を増していく三枝くんも好きですし。
西園寺は、毎度かっこいいですし。自分のキャラクターを褒めちぎっていて変態ですね。私(笑)。でも、宮沢先生のイラストのおかげで、話がふくらんでいったり、キャラクターが成長したりするので…。
あと、担当さんとの何気ない会話でもキャラクターへの愛情バロメーターが急上昇したり(笑)
答えになっていない回答ですみません。でも、どの作品のどのキャラクターも優劣無しに愛しいわが子みたいなものなので。
−−今後、花恋で描かれてみたい作品について聞かせてください。
「弁護士様〜」の番外で先日ちらっと書いた三枝の息子の春樹とその友人高田の恋愛未満のうぶうぶでういういな話が書きたいです。
あと、ごっっっついエロ漫画をいつか描かせてください(笑)。花恋でこんなもの描いていいのっっというようなやつを☆
もしくは、エッチのかけらもないコメディ漫画(笑)
でも、一番は、やっぱり「弁護士様の恋愛事情」を少しでも長く書かせていただけたらと思っています。
まだまだ伝えたいことがうまく伝えられなかったり、上手な表現方法を見付けられなかったり、至らない部分も多々ありますが、全力投球で参りますので。これからもどうぞよろしく御願いいたします。
2007/04/28
みさと美夕稀インタビュー -1-
【みさと美夕稀プロフィール】
■プロフィール
3月10日生まれ。うお座。O型。スリーサイズは全体的にミニマムサイズ(本人談)。
1988年。成人向け漫画家として大洋書房「イチゴみるく」にてプロデビュー。同社が新創刊した成人向け雑誌「ポプリクラブ」にてはじめてのシリーズ連載を経験。1993年。大洋図書「SHY」にてやおい漫画家デビュー。1998年。白泉社小説花丸第二十回新人賞投稿作品「不肖の彼」にて文庫本デビュー。現在に至る。愛猫めると、同居人とともに東京の片隅にてひっそりと執筆活動中。
花恋ではノベルズの作品を連載されているみさと先生。
今回のインタビューは対談式ではなく、質問シートに自由にお答え頂きました!
****************************************
■本文1回目
■1回目■
−−ペンネームの由来を教えてください
もともと成人向け作家で、男性名前のペンネームだったのですが、とある社会的事件をきっかけに、担当さんが「女性作家であることを強調できるペンネームに変えて欲しい」と提案され、今のペンネームに。
名前のほうは、自分の本名に近いのですぐに決まったのですが、苗字はかなり悩みまして、そんな時、当時ヒットしていた「マイレボリューション」がラジオから流れた瞬間「あ、みさとっていう苗字、いいじゃないか!」と。
結果、どっちが名前でどっちが苗字だかわからないペンネームに(笑)
−−まんが家としてのデビューまでの経緯を教えてください。
中学二年のときに、別冊マーガレットに投稿したのが最初の一歩でした。
それから16Pに収まったら別マ、それ以上になったらページ数制限の無かったなかよしの漫画スクールに投稿していました。隔月くらいでマメに投稿していました。
その頃付いてくださった担当さん達から漫画を描くためのノウハウを丁寧に教わることができたのが今でもラッキーだったと思っています。
結局少女マンガ家としてデビューできず五年以上の投稿生活に終止符を打って、社会人になったのですが、イラストを投稿していた雑誌の編集さんが「今度、新しく雑誌を作るから漫画描いてみない?」と。棚から牡丹餅のようなプロデビューでした(笑)。
それが、ロリコン雑誌だったという(笑)。初めてのH漫画がプロデビュー作です。
ちなみに、小説も投稿してデビューしました〜。
−−先生のフェイバリットするアーティストは?(ジャンルは問いません)
画家で好きなのは、東山魁夷、智内兄助です。
歌手なら、中島みゆきってすごいなぁ、と思います。また深夜ラジオやってほしいなぁ。さだまさしとか。
伊集院光も、大好きです。深夜ラジオがおともだち世代なので(笑)
−−執筆活動において、影響をうけているもの(映画や、音楽などジャンルは問いません)
いろいろなものから影響は受けていると思います。
良いものを見たり、聞いたり、触れたりすると、すぐにそれらを形にしたくなりますし。
でも、一番影響を受けるのは、人々の日常会話。
駅や街で何気なく耳に入ってくる会話からインスピレーションを受けることが多いです。
弁護士モノなどを描く(書く)ときは、裁判所の食堂に入り浸ったり(笑)
−−ご自身の作品で印象に残っている作品を教えてください。印象に残った理由、またはエピソードもお願いします。
やはりやおいデビュー作の「PureWhite」でしょうか。
医者モノ(描いていた当時はサラリーマンモノという分類)だったのですが、じつはこれを描いているときに持病の胃潰瘍を悪化させて入院、ベッドの上で画板を使って左手から点滴と輸血(大量に吐血してしまっていたので・笑)をしながら下絵を描き、週末に外泊許可をもらってペン入れをしたという。打ち合わせは病院のナースステーションの電話でやっていました。
医者をネタにした呪いかと本気で思いました(笑)
−−先生の理想の男性像を教えてください。
よく働く男の人。自分の仕事にプライドを持っている人。
自分の父親がそういう人なので。ということは父親が理想の男なのか(笑)
でも、そんじょそこらにはいない「いい男」ですよ。私の父は。
見事なファザコンですね。なので、男性を見る目は厳しいですよ〜(笑)
−−もし小説家・漫画家以外の職業につくとしたらどんな職業を選びますか?
今でもたまに言われるのですが「作家の仕事無くなったら編集者に戻らない?」……鬼編集にでもなりましょうか(笑)
やっぱり、本に関わっている仕事につくでしょうね。でも、できれば死ぬまで作家でいたいなぁと(笑)
−−最近はまっている趣味はありますか? それは何ですか?
同人誌!今までもやっていたじゃないか!と突っ込まれそうですが(笑)
はじめて「二次創作」の楽しさに目覚めてしまいまして。オリジナルの同人誌活動をじつは凍結中なのです。
友人におんぶに抱っこの状態ですが、サイトもやってます。オリジナルのサイトでさえ持っていないのに(笑)
サイトに興味を持ってしまわれた方は、編集部経由で「サイトアドレス希望」のご連絡をくださいませ。
こっそりご案内いたします(笑)
成人向けサイトなので、18歳未満の方はごめんなさいっ。
BLについて
−−初めて読んだBL作品は何ですか?また、BLを読むようになった切っ掛けを教えてください。
たぶん「風と木の詩」が最初に読んだ作品ではないかと。雑誌連載の第一回目でした。ジルベールが男の子だとは思っていなかった当時…。
あとは、LaLaを愛読していたので(笑)、それらしい作品は普通に読んでいたと思います。
本格的にBLを読んだのはじつは仕事で「やおい漫画を描いてください」と言われて、慌ててアニパロの本や
アンソロジーを買って読んだというくらいBLに対して無知で、それは今でも変わらなく、未だに読者様や
同業の方から突っ込みが入ったりするくらい(汗)
−−BLではないけれどBLっぽい雰囲気を感じた、お気に入りの作品がありましたら教えてください。
名探偵ホームズとか、少年探偵団とか、昔の名探偵モノ作品ってかなり「ぽい」と思います!
あと、私を二次創作に走らせた少年漫画は確実に(笑)
おまえ、それは「リスペクト」じゃなく「愛とか恋だ!」みたいな(笑)
男同士の友情を描いた男性作家の作品は基本的に「BL」要素が高いと思います。
−−普段はどんなBLまんが、およびBLノベルズを読みますか?
基本的にはハッピーエンドものが好きなので、そういった作品を。
−−ボーイズラブに関して先生の嗜好をお伺いします。
・萌えるシチュエーション、そしてなぜそれがツボなのかを教えてください。
年下攻め。下克上。
立場が逆転するシチュエーションが好きなんです(笑)
だから、背の低い人が大きい人を…というのも好きです。
あと、攻がカリスマだったり、ロボ系だったりするのに、好きな人の前ではダメダメになってしまうという
シチュエーションも大好きです。
これも、やっぱり逆転シチュですよね(笑)
−−みさと先生は、どんな時&状況でお話の内容を考えたり思いついたりされますか?
たいてい、ぼんやり散歩中とか、あと、担当さんとの打ち合わせの中でひらめいたりすることが多いです。
なにしろ、四畳半作家(日常作品作家)なので、エピソードは身近なものからこつこつと。
−−これから描かれたい作品などありましたら、ネタバレしない程度に教えてください。
弁護士モノ、法曹界モノはまだ書きたいエピソードやネタがいっぱいあるので、それらを細々と書き続けていけたらなと思っています。
あと、それ以外ならファミレスもの。デビューコミックスがファミレスものだったということもありますので、原点に還るといいますか(笑)タならいくらでも出せます(笑)リアルなエピソードで本格ファミレス作品(笑)
次回5月28日公開に続く
■プロフィール
3月10日生まれ。うお座。O型。スリーサイズは全体的にミニマムサイズ(本人談)。
1988年。成人向け漫画家として大洋書房「イチゴみるく」にてプロデビュー。同社が新創刊した成人向け雑誌「ポプリクラブ」にてはじめてのシリーズ連載を経験。1993年。大洋図書「SHY」にてやおい漫画家デビュー。1998年。白泉社小説花丸第二十回新人賞投稿作品「不肖の彼」にて文庫本デビュー。現在に至る。愛猫めると、同居人とともに東京の片隅にてひっそりと執筆活動中。
花恋ではノベルズの作品を連載されているみさと先生。
今回のインタビューは対談式ではなく、質問シートに自由にお答え頂きました!
****************************************
■本文1回目
■1回目■
−−ペンネームの由来を教えてください
もともと成人向け作家で、男性名前のペンネームだったのですが、とある社会的事件をきっかけに、担当さんが「女性作家であることを強調できるペンネームに変えて欲しい」と提案され、今のペンネームに。
名前のほうは、自分の本名に近いのですぐに決まったのですが、苗字はかなり悩みまして、そんな時、当時ヒットしていた「マイレボリューション」がラジオから流れた瞬間「あ、みさとっていう苗字、いいじゃないか!」と。
結果、どっちが名前でどっちが苗字だかわからないペンネームに(笑)
−−まんが家としてのデビューまでの経緯を教えてください。
中学二年のときに、別冊マーガレットに投稿したのが最初の一歩でした。
それから16Pに収まったら別マ、それ以上になったらページ数制限の無かったなかよしの漫画スクールに投稿していました。隔月くらいでマメに投稿していました。
その頃付いてくださった担当さん達から漫画を描くためのノウハウを丁寧に教わることができたのが今でもラッキーだったと思っています。
結局少女マンガ家としてデビューできず五年以上の投稿生活に終止符を打って、社会人になったのですが、イラストを投稿していた雑誌の編集さんが「今度、新しく雑誌を作るから漫画描いてみない?」と。棚から牡丹餅のようなプロデビューでした(笑)。
それが、ロリコン雑誌だったという(笑)。初めてのH漫画がプロデビュー作です。
ちなみに、小説も投稿してデビューしました〜。
−−先生のフェイバリットするアーティストは?(ジャンルは問いません)
画家で好きなのは、東山魁夷、智内兄助です。
歌手なら、中島みゆきってすごいなぁ、と思います。また深夜ラジオやってほしいなぁ。さだまさしとか。
伊集院光も、大好きです。深夜ラジオがおともだち世代なので(笑)
−−執筆活動において、影響をうけているもの(映画や、音楽などジャンルは問いません)
いろいろなものから影響は受けていると思います。
良いものを見たり、聞いたり、触れたりすると、すぐにそれらを形にしたくなりますし。
でも、一番影響を受けるのは、人々の日常会話。
駅や街で何気なく耳に入ってくる会話からインスピレーションを受けることが多いです。
弁護士モノなどを描く(書く)ときは、裁判所の食堂に入り浸ったり(笑)
−−ご自身の作品で印象に残っている作品を教えてください。印象に残った理由、またはエピソードもお願いします。
やはりやおいデビュー作の「PureWhite」でしょうか。
医者モノ(描いていた当時はサラリーマンモノという分類)だったのですが、じつはこれを描いているときに持病の胃潰瘍を悪化させて入院、ベッドの上で画板を使って左手から点滴と輸血(大量に吐血してしまっていたので・笑)をしながら下絵を描き、週末に外泊許可をもらってペン入れをしたという。打ち合わせは病院のナースステーションの電話でやっていました。
医者をネタにした呪いかと本気で思いました(笑)
−−先生の理想の男性像を教えてください。
よく働く男の人。自分の仕事にプライドを持っている人。
自分の父親がそういう人なので。ということは父親が理想の男なのか(笑)
でも、そんじょそこらにはいない「いい男」ですよ。私の父は。
見事なファザコンですね。なので、男性を見る目は厳しいですよ〜(笑)
−−もし小説家・漫画家以外の職業につくとしたらどんな職業を選びますか?
今でもたまに言われるのですが「作家の仕事無くなったら編集者に戻らない?」……鬼編集にでもなりましょうか(笑)
やっぱり、本に関わっている仕事につくでしょうね。でも、できれば死ぬまで作家でいたいなぁと(笑)
−−最近はまっている趣味はありますか? それは何ですか?
同人誌!今までもやっていたじゃないか!と突っ込まれそうですが(笑)
はじめて「二次創作」の楽しさに目覚めてしまいまして。オリジナルの同人誌活動をじつは凍結中なのです。
友人におんぶに抱っこの状態ですが、サイトもやってます。オリジナルのサイトでさえ持っていないのに(笑)
サイトに興味を持ってしまわれた方は、編集部経由で「サイトアドレス希望」のご連絡をくださいませ。
こっそりご案内いたします(笑)
成人向けサイトなので、18歳未満の方はごめんなさいっ。
BLについて
−−初めて読んだBL作品は何ですか?また、BLを読むようになった切っ掛けを教えてください。
たぶん「風と木の詩」が最初に読んだ作品ではないかと。雑誌連載の第一回目でした。ジルベールが男の子だとは思っていなかった当時…。
あとは、LaLaを愛読していたので(笑)、それらしい作品は普通に読んでいたと思います。
本格的にBLを読んだのはじつは仕事で「やおい漫画を描いてください」と言われて、慌ててアニパロの本や
アンソロジーを買って読んだというくらいBLに対して無知で、それは今でも変わらなく、未だに読者様や
同業の方から突っ込みが入ったりするくらい(汗)
−−BLではないけれどBLっぽい雰囲気を感じた、お気に入りの作品がありましたら教えてください。
名探偵ホームズとか、少年探偵団とか、昔の名探偵モノ作品ってかなり「ぽい」と思います!
あと、私を二次創作に走らせた少年漫画は確実に(笑)
おまえ、それは「リスペクト」じゃなく「愛とか恋だ!」みたいな(笑)
男同士の友情を描いた男性作家の作品は基本的に「BL」要素が高いと思います。
−−普段はどんなBLまんが、およびBLノベルズを読みますか?
基本的にはハッピーエンドものが好きなので、そういった作品を。
−−ボーイズラブに関して先生の嗜好をお伺いします。
・萌えるシチュエーション、そしてなぜそれがツボなのかを教えてください。
年下攻め。下克上。
立場が逆転するシチュエーションが好きなんです(笑)
だから、背の低い人が大きい人を…というのも好きです。
あと、攻がカリスマだったり、ロボ系だったりするのに、好きな人の前ではダメダメになってしまうという
シチュエーションも大好きです。
これも、やっぱり逆転シチュですよね(笑)
−−みさと先生は、どんな時&状況でお話の内容を考えたり思いついたりされますか?
たいてい、ぼんやり散歩中とか、あと、担当さんとの打ち合わせの中でひらめいたりすることが多いです。
なにしろ、四畳半作家(日常作品作家)なので、エピソードは身近なものからこつこつと。
−−これから描かれたい作品などありましたら、ネタバレしない程度に教えてください。
弁護士モノ、法曹界モノはまだ書きたいエピソードやネタがいっぱいあるので、それらを細々と書き続けていけたらなと思っています。
あと、それ以外ならファミレスもの。デビューコミックスがファミレスものだったということもありますので、原点に還るといいますか(笑)タならいくらでも出せます(笑)リアルなエピソードで本格ファミレス作品(笑)
次回5月28日公開に続く
2007/03/28
●日●輪●早●夜●イ●ン●タ●ビ●ュ●ー● -2-
【日輪早夜プロフィール】
ペンネームの由来は、竹久夢二の童話集『日輪草(ヒマワリソウ)』の「日輪」から。獅子座。B型寄りのAB型で、「ススム」「ヒカリ」「アキラ」「ハジメ」猫三匹と犬一匹の、雌なのに、なぜか男名のついたペットたちと同居中。
今朝みた夢は、追われる夢。でも追われるうちに楽しい気分になってきたそう。 怖い夢も、ヒマワリの明るさでもって、面白い夢に転換してしまう――不思議が好きな、不思議な方に、突撃インタビュー!
■2回目■
【真壁クン≒ツンデレ説浮上!?】
―― 好きなキャラクターのタイプを教えてください。
日輪:つり目が好きです。私、実は「ツンデレ好き」なんです。
―― 「ツンデレ」って?
日輪:普段はツンツンしてるんだけど、二人になると、とたんに優しくなる。ふだんはベタベタしない子が、甘えてくる。テレ屋さん、SHYな子のことなんですよ。 私、いままで自分の好きなタイプがわからなかったんですよ。で、読んでるうちに、「私ツンデレ好きじゃない?」ってことに、最近気づきはじめて。そのうち描いてて、このキャラが一番楽しいわ・ っていうのがわかってきて。
―― では、受と攻どちらに感情移入して描かれてます?
日輪:私、たぶん、攻なんです。最初は、受の視点で描いてたんですよ。それが基本なのかなと思って。で、たぶん『PETシリーズ(芳文社『約束の月』収録の『白鳥の歌』など)』のときに、初めて攻を主人公にして描いたんです。そしたらすごく描きやすかったんですね。
―― 男の人を描くときに、どこにこだわって描かれますか?
日輪:私は、もともとショタ作家なので、子供しか描けなかったんです。なので、なるべく大人を描けるようになろうと。攻は攻らしく、男らしい人を描かなくっちゃと思って描いてます。内面では、受はなよなよしくならないようにと気をつけています。
―― 受の子は、ナイーブな子が多いですよね。
日輪:でも、やりすぎちゃうと女の子みたいになっちゃうので。女の子になったら意味がないじゃないですか!! ボーイズとして!!
―― あくまで、少年としてのナイーブさ。
日輪:……になってるといいな。そして、ツンデレの基本は『ときめきトゥナイト』の真壁クンです!
―― 真壁クンがツンデレ……それは言えますネ。
日輪:でしょ? でしょ? ツンデレって男の人がやる年頃ってありません? 中学生とか小学生の頃とかって、ツンデレかもしれませんよね?
―― いやあ、真壁クンがツンデレだとは。わかりやすいですねえ……。じゃあ『イタズラなkiss』の入江クンとか? 『のだめカンタービレ』の……。
日輪:千秋も!! ツンデレですね。って何を熱くなっちゃってるんでしょう、私は!!
―― よくわかりました、その魅力が。何かツボがあるんでしょうね。
日輪:そうなんでしょうね。たぶん、私のツンデレ好きは、真壁クンからきてるんだわ……。
【先生から教えられ…】
―― なぜ、少女マンガにそんなに夢中だった日輪先生が、BLの道へ?
日輪:私は最初、少年マンガを読んでたんですよ。雑誌「少年チャンピオン」の、小山田いく先生の『スクラップブック』というマンガが好きでした。普通の中学生の青春マンガで、漢字は全然わからなかったですけど、そういうところは読みとばし(笑)。
その後、少女マンガの世界に入っても「りぼん」「なかよし」を卒業したあとに、「花とゆめ」と「LaLa」に行ったんです。
白泉社系って、親友なんだけど、ちょっといき過ぎた関係・ BL的な傾向がありません? 女装少年がでてきたり、みんなからお姫さま扱いをされていたり。寮の中にカップルがいたり。男しかでてこない『ここはグリーンウッド』とか。
―― では、一番最初のBL経験は、『ここはグリーンウッド』?
日輪:たぶん、そうですね。でも、もちろんそのころは、ほとんど知らなかったんです。BLの存在を知ったのは、アシスタント先の先生が趣味で描かれた、原稿を読ませていただいてから。
ただ当時は、こういう世界もあるんだな、で終わってましたね。はっきりと意識して、BL作品を読んだのは、二十代になってから。たぶん、あさぎり夕先生の作品だったと思います。
―― では、BLを描きはじめたきっかけは?
日輪:アシスタント先で、みんなで同人誌をしよう、って話になって。先生が、「私の作品で、こんな同人誌も出てるんだよ」と見せていただいたものが、男同士だったんです。それで、こういうのを描いてみようかって。それがきっかけで、同人誌活動を始めて、そのうちに出版社から声がかかって、仕事になったんです。
で、描いてるうちにハマっちゃった(笑)。だから、通常の入り方とは私は違うのかもしれませんネ。私は、どちらかというと、美少女系の人間だったんです。
―― 『くりーむレモン』とか?
日輪:そうですね、雑誌「カラフルBee」も読んだり、村田蓮爾さんの表紙に惹かれて雑誌「快楽天」を読んでみたり。
【いつかファンタジーを……】
―― どのようにして、アシスタントになられたんですか?
日輪:募集に応募してです。それまで、落書きやイラストは描いていましたが、ちゃんとしたマンガを描いたことがなかったので、アシスタントの現場がマンガの基盤なんですよ。
―― おいくつでアシスタントになられたんですか?
日輪:19? 20歳かな?
―― アシスタントになってから、マンガを描きはじめたというのは、かなり稀なケースですよね。
日輪:投稿もしたことがないし、全然マンガ家になるつもりはなかったんですけど。先生や周囲を見ていたら、大変そうで、「私には無理だ」と思っていました。
―― もしマンガ家にならなかったら、何になっていたと思います?
日輪:ずっとアシスタントやってるのかな、そのうち結婚するのかな? みたいな。いろいろやる気のない人間だったので。
―― デビューして、どれくらいになりますか?
日輪:そろそろ十年になっちゃうんですよね。
―― マンガ家になってよかったことや、つらかったことは?
日輪:うーん。つらいのは毎回の締切りですかね。ふふふ。そしてのったあとにすごく落ち込む。イヤですね。
―― 落ち込むんですか?
日輪:ええ。ああすればよかったなとか。
―― でも、反省して、次の作品に生かされるわけだから。
日輪:生かされてればいいんですけどね(笑)。
―― ではなぜそんなにつらいマンガ家を、十年も続けられたんでしょう?
日輪:あ、それは、描いたらマンガが面白かった。楽しかったからです。マンガって楽しいな〜って。それまでは読む専門だったんですけれど。自分の思ったとおりに話を進めていけて、おもしろいなーって思いはじめたことでしょうね。
―― なるほど。では最後に。今後、どんな作品を描かれたいですか?
日輪:歴史ファンタジーものを、いつか描きたいんです。舞台は中世ヨーロッパなんですけど、内容は……。
―― まだ内緒なんですね、楽しみです。
今回は、楽しいお話をありがとうございました。インタビューは以上になります。
ペンネームの由来は、竹久夢二の童話集『日輪草(ヒマワリソウ)』の「日輪」から。獅子座。B型寄りのAB型で、「ススム」「ヒカリ」「アキラ」「ハジメ」猫三匹と犬一匹の、雌なのに、なぜか男名のついたペットたちと同居中。
今朝みた夢は、追われる夢。でも追われるうちに楽しい気分になってきたそう。 怖い夢も、ヒマワリの明るさでもって、面白い夢に転換してしまう――不思議が好きな、不思議な方に、突撃インタビュー!
■2回目■
【真壁クン≒ツンデレ説浮上!?】
―― 好きなキャラクターのタイプを教えてください。
日輪:つり目が好きです。私、実は「ツンデレ好き」なんです。
―― 「ツンデレ」って?
日輪:普段はツンツンしてるんだけど、二人になると、とたんに優しくなる。ふだんはベタベタしない子が、甘えてくる。テレ屋さん、SHYな子のことなんですよ。 私、いままで自分の好きなタイプがわからなかったんですよ。で、読んでるうちに、「私ツンデレ好きじゃない?」ってことに、最近気づきはじめて。そのうち描いてて、このキャラが一番楽しいわ・ っていうのがわかってきて。
―― では、受と攻どちらに感情移入して描かれてます?
日輪:私、たぶん、攻なんです。最初は、受の視点で描いてたんですよ。それが基本なのかなと思って。で、たぶん『PETシリーズ(芳文社『約束の月』収録の『白鳥の歌』など)』のときに、初めて攻を主人公にして描いたんです。そしたらすごく描きやすかったんですね。
―― 男の人を描くときに、どこにこだわって描かれますか?
日輪:私は、もともとショタ作家なので、子供しか描けなかったんです。なので、なるべく大人を描けるようになろうと。攻は攻らしく、男らしい人を描かなくっちゃと思って描いてます。内面では、受はなよなよしくならないようにと気をつけています。
―― 受の子は、ナイーブな子が多いですよね。
日輪:でも、やりすぎちゃうと女の子みたいになっちゃうので。女の子になったら意味がないじゃないですか!! ボーイズとして!!
―― あくまで、少年としてのナイーブさ。
日輪:……になってるといいな。そして、ツンデレの基本は『ときめきトゥナイト』の真壁クンです!
―― 真壁クンがツンデレ……それは言えますネ。
日輪:でしょ? でしょ? ツンデレって男の人がやる年頃ってありません? 中学生とか小学生の頃とかって、ツンデレかもしれませんよね?
―― いやあ、真壁クンがツンデレだとは。わかりやすいですねえ……。じゃあ『イタズラなkiss』の入江クンとか? 『のだめカンタービレ』の……。
日輪:千秋も!! ツンデレですね。って何を熱くなっちゃってるんでしょう、私は!!
―― よくわかりました、その魅力が。何かツボがあるんでしょうね。
日輪:そうなんでしょうね。たぶん、私のツンデレ好きは、真壁クンからきてるんだわ……。
【先生から教えられ…】
―― なぜ、少女マンガにそんなに夢中だった日輪先生が、BLの道へ?
日輪:私は最初、少年マンガを読んでたんですよ。雑誌「少年チャンピオン」の、小山田いく先生の『スクラップブック』というマンガが好きでした。普通の中学生の青春マンガで、漢字は全然わからなかったですけど、そういうところは読みとばし(笑)。
その後、少女マンガの世界に入っても「りぼん」「なかよし」を卒業したあとに、「花とゆめ」と「LaLa」に行ったんです。
白泉社系って、親友なんだけど、ちょっといき過ぎた関係・ BL的な傾向がありません? 女装少年がでてきたり、みんなからお姫さま扱いをされていたり。寮の中にカップルがいたり。男しかでてこない『ここはグリーンウッド』とか。
―― では、一番最初のBL経験は、『ここはグリーンウッド』?
日輪:たぶん、そうですね。でも、もちろんそのころは、ほとんど知らなかったんです。BLの存在を知ったのは、アシスタント先の先生が趣味で描かれた、原稿を読ませていただいてから。
ただ当時は、こういう世界もあるんだな、で終わってましたね。はっきりと意識して、BL作品を読んだのは、二十代になってから。たぶん、あさぎり夕先生の作品だったと思います。
―― では、BLを描きはじめたきっかけは?
日輪:アシスタント先で、みんなで同人誌をしよう、って話になって。先生が、「私の作品で、こんな同人誌も出てるんだよ」と見せていただいたものが、男同士だったんです。それで、こういうのを描いてみようかって。それがきっかけで、同人誌活動を始めて、そのうちに出版社から声がかかって、仕事になったんです。
で、描いてるうちにハマっちゃった(笑)。だから、通常の入り方とは私は違うのかもしれませんネ。私は、どちらかというと、美少女系の人間だったんです。
―― 『くりーむレモン』とか?
日輪:そうですね、雑誌「カラフルBee」も読んだり、村田蓮爾さんの表紙に惹かれて雑誌「快楽天」を読んでみたり。
【いつかファンタジーを……】
―― どのようにして、アシスタントになられたんですか?
日輪:募集に応募してです。それまで、落書きやイラストは描いていましたが、ちゃんとしたマンガを描いたことがなかったので、アシスタントの現場がマンガの基盤なんですよ。
―― おいくつでアシスタントになられたんですか?
日輪:19? 20歳かな?
―― アシスタントになってから、マンガを描きはじめたというのは、かなり稀なケースですよね。
日輪:投稿もしたことがないし、全然マンガ家になるつもりはなかったんですけど。先生や周囲を見ていたら、大変そうで、「私には無理だ」と思っていました。
―― もしマンガ家にならなかったら、何になっていたと思います?
日輪:ずっとアシスタントやってるのかな、そのうち結婚するのかな? みたいな。いろいろやる気のない人間だったので。
―― デビューして、どれくらいになりますか?
日輪:そろそろ十年になっちゃうんですよね。
―― マンガ家になってよかったことや、つらかったことは?
日輪:うーん。つらいのは毎回の締切りですかね。ふふふ。そしてのったあとにすごく落ち込む。イヤですね。
―― 落ち込むんですか?
日輪:ええ。ああすればよかったなとか。
―― でも、反省して、次の作品に生かされるわけだから。
日輪:生かされてればいいんですけどね(笑)。
―― ではなぜそんなにつらいマンガ家を、十年も続けられたんでしょう?
日輪:あ、それは、描いたらマンガが面白かった。楽しかったからです。マンガって楽しいな〜って。それまでは読む専門だったんですけれど。自分の思ったとおりに話を進めていけて、おもしろいなーって思いはじめたことでしょうね。
―― なるほど。では最後に。今後、どんな作品を描かれたいですか?
日輪:歴史ファンタジーものを、いつか描きたいんです。舞台は中世ヨーロッパなんですけど、内容は……。
―― まだ内緒なんですね、楽しみです。
今回は、楽しいお話をありがとうございました。インタビューは以上になります。
posted by 日本文芸社 at 00:00| 記事
2007/02/28
日●輪●早●夜●イ●ン●タ●ビ●ュ●ー● -1-
【日輪早夜プロフィール】
ペンネームの由来は、竹久夢二の童話集『日輪草(ヒマワリソウ)』の「日輪」から。獅子座。B型寄りのAB型で、「ススム」「ヒカリ」「アキラ」「ハジメ」猫三匹と犬一匹の、雌なのに、なぜか男名のついたペットたちと同居中。
今朝みた夢は、追われる夢。でも追われるうちに楽しい気分になってきたそう。 怖い夢も、ヒマワリの明るさでもって、面白い夢に転換してしまう――不思議が好きな、不思議な方に、突撃インタビュー!
■1回目■
【ファンタジックに憧れて】
―― 今、夢中なものを教えてください。
日輪:球体関節人形にハマってます。スーパードルフィというやつです。
―― スーパードルフィというのは、どういう人形なんでしょう?
日輪:どういうって……、写真を見たほうが早いかな?(おもむろに携帯をとりだす、日輪先生)これは韓国から、個人輸入で買ったものです。 子供の頃は、りかちゃん人形がすごく好きだったんですよ。


―― もともとの人形好きが嵩じて、ということなんでしょうか。
日輪:そういうことになるんでしょうね。写真をとるのが楽しいんです。 服を着せかえて、メイクカスタムをして、Eyeをかえて、ポーズをとらせて。飾って楽しむというよりは、普段はしまっておいて、写真をとるときに出してきて、撮影会みたいな。はたからみると怪しいんですけど(笑)。
―― 何体くらい持ってらっしゃる?
日輪:今、七体ぐらい、集めちゃってます。
―― それは、子供のころ、好きなマンガのキャラクターの絵を切りぬいて、集めた感覚に近いんでしょうか?
日輪:そうですね、昔はマンガのキャラクターを確かに集めてたなあ。
―― どういうマンガのキャラクターを?
日輪:『クリィミーマミ』とか、『とんがり帽子のメモル』とか。あとは雑誌「りぼん」を買いはじめて、はじめに『銀曜日のおとぎ話』、その後『ときめきトゥナイト』。真壁クンを切ってみたりとか。 あとは、『ポニーテール白書』にはまり、『星の瞳のシルエット』。同時期くらいに雑誌「ちゃお」の『マジカルエミ』、赤石路代先生の『天よりも星よりも』、雑誌「なかよし」のあさぎり夕先生の『あこがれ冒険者』とか。 ちょっと“不思議”が入ってるファンタジーが好きなんです。
【タイムスリップ誕生秘話】
―― 不思議といえば、今「花恋」で連載中の、『俺たちはここで恋をする』もまた、それにあたると思います。お経が流れるとタイムスリップしてしまうという、この不思議な設定は……?
日輪:担当さんと一緒に考えたんですよ。どういうふうにタイムスリップさせたらいいだろうか? どうやって話を収束させたらいいだろうか? って。友達とも、「やっぱり雷とかでかなあ」といろいろ考えて(笑)。
―― では、最初からタイムスリップものにしようと決まっていた?
日輪:それも担当さんのほうから。
―― つまり、担当さんの熱烈な要望によりタイムスリップものに?
日輪:(笑)熱烈かどうかはわかりませんが、そうですね。
―― 戦国時代が舞台ですが、なにか時代ものへのロマンがおありとか?
日輪:そうですね、あの時代に行ってみたいなぁと思ったこともあります。 マンガからの影響ではあるんですけど、歴史ものは好きですね。赤石路代先生や里中満智子先生の作品ですとか、あと『なんて素敵にジャパネスク』とか。マンガから派生して、永井路子さんの小説を読んだりも。
【ふたりの未来はどうなってしまうの?】
―― タイムスリップしたお寺には、仏像がもともとない、という設定なわけですが、でも戦国時代には、実は仏像があって、水生がタイムスリップしたせいで……。
日輪:ふたつが入れ代わっちゃいましたね(笑)。
―― 入れ代わっちゃったんですか? じゃあ、水生が過去にいるあいだは、仏像は現在にあって、彼が今に帰ってくると、仏像が過去へ戻るという。あの仏像がタイムスリップの扉になっているということですか?
日輪:そうです。とりあえず、同じ容量のものが移動しているという。
―― なるほど。あともう一つ。水生が二ヵ月後に、再び戦国時代にタイムスリップしたら、過去の時間は、なんと、六年もたっている。この時間のずれ……つまり、ウラシマ効果は、なにか悲劇的な結末を予感させますね。たとえば、鷹景が早く死んでしまうとか。このままいくと、そうなってしまいますよね。
日輪:……ちょっと考えているところです。
―― 次に過去に飛んだときには、鷹景が80歳になっていたりして?(笑)
日輪:80歳!
―― 看取ってあげるとか?
日輪:ええっ!!(笑)。いや水生を現代に帰そうかどうか考えている最中なんです。
―― 『俺たちはここで恋をする』というタイトルからして、戦国時代に水生は残るのかな? こういうタイムスリップもので気になるのが結末なんですよね。『ふしぎ遊戯』、『天空のエスカフローネ』、『ネバーエンディングストーリー』、どれも、最終的にはやっぱり別々の世界で、という話が多い。
日輪:そうしようかな? とも思ってるんですけど。でも、あまりひどい終わりかただとかわいそうじゃないですか。
―― はぐくんでますからね、愛を……ふふふ。(以下、質問者、妄想大暴走!)じゃあこういうのはどうでしょう? 鷹景が「俺はこの国を守らなければならない、来世で会おう!」となって、ふたりは別れる。一方、現代に戻ってきた水生は、「お寺に行ってももう、お経もなにも聞こえない、やっぱりもう会えないんだ」と悲しんでいたら、鷹景が生まれ変わって転校してくる、とかね(笑)。
日輪:転校してくる!?
―― そういう結末もアリかなと……。
日輪:いただきましょうか、それを(笑)!ナンテ……でもホントにいま考え中なんです!
お楽しみに!!
ペンネームの由来は、竹久夢二の童話集『日輪草(ヒマワリソウ)』の「日輪」から。獅子座。B型寄りのAB型で、「ススム」「ヒカリ」「アキラ」「ハジメ」猫三匹と犬一匹の、雌なのに、なぜか男名のついたペットたちと同居中。
今朝みた夢は、追われる夢。でも追われるうちに楽しい気分になってきたそう。 怖い夢も、ヒマワリの明るさでもって、面白い夢に転換してしまう――不思議が好きな、不思議な方に、突撃インタビュー!
■1回目■
【ファンタジックに憧れて】
―― 今、夢中なものを教えてください。
日輪:球体関節人形にハマってます。スーパードルフィというやつです。
―― スーパードルフィというのは、どういう人形なんでしょう?
日輪:どういうって……、写真を見たほうが早いかな?(おもむろに携帯をとりだす、日輪先生)これは韓国から、個人輸入で買ったものです。 子供の頃は、りかちゃん人形がすごく好きだったんですよ。
―― もともとの人形好きが嵩じて、ということなんでしょうか。
日輪:そういうことになるんでしょうね。写真をとるのが楽しいんです。 服を着せかえて、メイクカスタムをして、Eyeをかえて、ポーズをとらせて。飾って楽しむというよりは、普段はしまっておいて、写真をとるときに出してきて、撮影会みたいな。はたからみると怪しいんですけど(笑)。
―― 何体くらい持ってらっしゃる?
日輪:今、七体ぐらい、集めちゃってます。
―― それは、子供のころ、好きなマンガのキャラクターの絵を切りぬいて、集めた感覚に近いんでしょうか?
日輪:そうですね、昔はマンガのキャラクターを確かに集めてたなあ。
―― どういうマンガのキャラクターを?
日輪:『クリィミーマミ』とか、『とんがり帽子のメモル』とか。あとは雑誌「りぼん」を買いはじめて、はじめに『銀曜日のおとぎ話』、その後『ときめきトゥナイト』。真壁クンを切ってみたりとか。 あとは、『ポニーテール白書』にはまり、『星の瞳のシルエット』。同時期くらいに雑誌「ちゃお」の『マジカルエミ』、赤石路代先生の『天よりも星よりも』、雑誌「なかよし」のあさぎり夕先生の『あこがれ冒険者』とか。 ちょっと“不思議”が入ってるファンタジーが好きなんです。
【タイムスリップ誕生秘話】
―― 不思議といえば、今「花恋」で連載中の、『俺たちはここで恋をする』もまた、それにあたると思います。お経が流れるとタイムスリップしてしまうという、この不思議な設定は……?
日輪:担当さんと一緒に考えたんですよ。どういうふうにタイムスリップさせたらいいだろうか? どうやって話を収束させたらいいだろうか? って。友達とも、「やっぱり雷とかでかなあ」といろいろ考えて(笑)。
―― では、最初からタイムスリップものにしようと決まっていた?
日輪:それも担当さんのほうから。
―― つまり、担当さんの熱烈な要望によりタイムスリップものに?
日輪:(笑)熱烈かどうかはわかりませんが、そうですね。
―― 戦国時代が舞台ですが、なにか時代ものへのロマンがおありとか?
日輪:そうですね、あの時代に行ってみたいなぁと思ったこともあります。 マンガからの影響ではあるんですけど、歴史ものは好きですね。赤石路代先生や里中満智子先生の作品ですとか、あと『なんて素敵にジャパネスク』とか。マンガから派生して、永井路子さんの小説を読んだりも。
【ふたりの未来はどうなってしまうの?】
―― タイムスリップしたお寺には、仏像がもともとない、という設定なわけですが、でも戦国時代には、実は仏像があって、水生がタイムスリップしたせいで……。
日輪:ふたつが入れ代わっちゃいましたね(笑)。
―― 入れ代わっちゃったんですか? じゃあ、水生が過去にいるあいだは、仏像は現在にあって、彼が今に帰ってくると、仏像が過去へ戻るという。あの仏像がタイムスリップの扉になっているということですか?
日輪:そうです。とりあえず、同じ容量のものが移動しているという。
―― なるほど。あともう一つ。水生が二ヵ月後に、再び戦国時代にタイムスリップしたら、過去の時間は、なんと、六年もたっている。この時間のずれ……つまり、ウラシマ効果は、なにか悲劇的な結末を予感させますね。たとえば、鷹景が早く死んでしまうとか。このままいくと、そうなってしまいますよね。
日輪:……ちょっと考えているところです。
―― 次に過去に飛んだときには、鷹景が80歳になっていたりして?(笑)
日輪:80歳!
―― 看取ってあげるとか?
日輪:ええっ!!(笑)。いや水生を現代に帰そうかどうか考えている最中なんです。
―― 『俺たちはここで恋をする』というタイトルからして、戦国時代に水生は残るのかな? こういうタイムスリップもので気になるのが結末なんですよね。『ふしぎ遊戯』、『天空のエスカフローネ』、『ネバーエンディングストーリー』、どれも、最終的にはやっぱり別々の世界で、という話が多い。
日輪:そうしようかな? とも思ってるんですけど。でも、あまりひどい終わりかただとかわいそうじゃないですか。
―― はぐくんでますからね、愛を……ふふふ。(以下、質問者、妄想大暴走!)じゃあこういうのはどうでしょう? 鷹景が「俺はこの国を守らなければならない、来世で会おう!」となって、ふたりは別れる。一方、現代に戻ってきた水生は、「お寺に行ってももう、お経もなにも聞こえない、やっぱりもう会えないんだ」と悲しんでいたら、鷹景が生まれ変わって転校してくる、とかね(笑)。
日輪:転校してくる!?
―― そういう結末もアリかなと……。
日輪:いただきましょうか、それを(笑)!ナンテ……でもホントにいま考え中なんです!
お楽しみに!!
2007/01/28
立野真琴インタビュー -4-
【プロフィール】
立野真琴、本名。富山県出身。血液型は、たぶんA型。星座はおひつじ座。『ガラスの仮面』の美内すずえのアシスタントを経て、『花とゆめ』の『ゆられてたまごBoys(白泉社)』で少女マンガ家デビュー。今年、マンガ家歴二十周年を迎える。
忘れてませんか? センチメンタル
―― 立野さんの『逆光線』という短編は、Juneっぽい作品ですね。
立野:あれも『花とゆめ』の掲載作品だったんです。学園モノで、自分では冒険した話だったんですけど。
それまでは、わりと明るくモデルものなどを描いてたわけですが、読み切りで「青春の痛み」編をやってみようと思いまして。あんまり暗いと、読者は、シリーズで読みたいものじゃないらしいんですけど、読み切りで、50ページもらえたので。
でも、本当のことをいえばBLって、せつないストーリーが、描きやすい土壌だと思うんですよ。だけど、いまは残念ながら、そういうストーリーがあんまりないですよね。くっつくか、くっつかないかがメインになってしまっていて。最後はハッピーエンドでもいいですけど、障害があって別れさせられたりとか。正直、読者の立場としては、それくらいつっこんだ話も、たまには読みたいですよね。
―― 『逆光線』の評判は、どうだったんでしょう?
立野:『逆光線』は、ほんとうに読み切りだからこそ、出しきったお話だったんだと思います。三人で心中未遂して、一人だけが消える、けっこう暗いラストなんですけど、好きだって云ってくれる読者は、『裏通りのシキ』同様、たった一回描いただけでもずっと覚えていてくれます。
少女マンガは、いま、できれば明るくとかそういう方向に走っているけど、読者はほんとうはそんなことを気にしないと思うんですよね。
―― 涙の流せるものも…。
立野:好きだと思うんですよね(笑)。人の死とか…。
―― 女の子はナイーブなセンチメンタルな話が好きですよね。
立野:そう思うんですけどもね。少女マンガにしてもBLにしても。描き手も女で、読者も女の子で、女同士で、「せつないね〜」みたいな世界。女の子にしかわからない世界。そういう感じのものも、もっと増えてもいいんじゃないかな。
二十年間続けたからいえること
―― もし、ランプの魔神が現れて、3つの願いをかなえてくれるとしたら、何を願いますか?
立野:まず、二十歳に戻してほしいですね。とりあえず、年齢を二十歳に。そして、そうですね、顔は仲間由紀恵に(笑)。それから最後の一つは、もうちょっと絵をうまくしてほしいですね。
―― 若くて美人に、というのは、女性の夢ですね。あと一つは、ふつうは財産に結びついてくるんですけど、財産ではなく、やはり絵、というところが、マンガ家さん独特の見解ですよね。
立野:これが一番、どうしようもないものなので。ちょうど今年で、私はデビュー二十周年になるんですよ。
二十年間描いてきたからこそわかるんですが、努力して、絵がうまくなるって、一定の部分までなんですよ。描けば描くほどうまくなるときって、まだ下手な時代なんです。基本までは、努力すればうまくなります。でも、そこから先は、じつは、センスなんじゃないかな?
すごくうまい人と、普通の人と、まあ下手な人がいたとして、普通に描ける人が、相当努力してもそれ以上はいけるもんじゃない。これはなにか、意識の改革とか、やり方を考えるとか、きっかけがあるとか、なにかが起こらないと、さらに上にいくっていうことは、正直ないんじゃないかと思っておりまして。二十年描いたからそのぶんうまくなるってことは、まずないですね。
いま、けっこう、昔の作品集を出してもらっているんです。それで、過去の自分の作品を見直す機会があるわけですが、またね、時代によって、デビュー時より、下手なときもあるんですよ。自分では、わかってないんですけど、荒れてるんですよ、画面が。
―― 精神的なものが?
立野:うん。描きなれて、描きとばしてるのか、たんに下手になってるのかはわからないんですけど。デビュー時より、下手じゃない? っていうときもあって、でも、その次に描いているのは、もうちょっとマシになっていたりも。でもすぐあとに、絵が崩れちゃうなんてこと、私だけかもしれないですけど、あるんですね。
―― なるほど。
立野:おおむね描き直したいって思うんですが、下手は下手なりに、これはマシなんじゃないってときと、なんで前より下手になってるんだろうってときがあるんですよ。きっと自分が、一番厳しい批評家なんでしょうけどね。
状況とか、精神的とか、体力的とか、いろいろな要因はあるとは思いますが、一定してうまくなっていくものじゃないんだな、って刊行するたびに、今改めて、発見してます。
私にできることは、描きつづけること
―― 読者は、細部よりは、全体的な印象をみてますよね。
立野:だからこそ、荒れるとわかると思いますよ。だから、なまけないで、描いていくしかないんですけども。でも、たぶん、スポーツ選手と同じなんじゃないですか。さぼったら、そのぶん体がなまるのと似てるんじゃないかな。
―― バイオリニストみたいな。三日さぼると一ケ月ぶん下手になるという。
立野:ほんとうにそう。描いてないと、下手になります。うまい方でも、描かないでいると落ちますよ(笑)。
そう考えると、絵っていったいどこで描いてるんでしょうね。
―― 今回は、貴重なお話をありがとうございました。最後に、読者の方にひとことお願いします。
立野:お時間があるときでいいので、読んでくださったら嬉しいな。絶対読んで……なんていえませんが、お時間があるときに読んでいただければそれで十分だな、と思っています。そして、できれば、応援してください。
(おわり)
立野真琴、本名。富山県出身。血液型は、たぶんA型。星座はおひつじ座。『ガラスの仮面』の美内すずえのアシスタントを経て、『花とゆめ』の『ゆられてたまごBoys(白泉社)』で少女マンガ家デビュー。今年、マンガ家歴二十周年を迎える。
忘れてませんか? センチメンタル
―― 立野さんの『逆光線』という短編は、Juneっぽい作品ですね。
立野:あれも『花とゆめ』の掲載作品だったんです。学園モノで、自分では冒険した話だったんですけど。
それまでは、わりと明るくモデルものなどを描いてたわけですが、読み切りで「青春の痛み」編をやってみようと思いまして。あんまり暗いと、読者は、シリーズで読みたいものじゃないらしいんですけど、読み切りで、50ページもらえたので。
でも、本当のことをいえばBLって、せつないストーリーが、描きやすい土壌だと思うんですよ。だけど、いまは残念ながら、そういうストーリーがあんまりないですよね。くっつくか、くっつかないかがメインになってしまっていて。最後はハッピーエンドでもいいですけど、障害があって別れさせられたりとか。正直、読者の立場としては、それくらいつっこんだ話も、たまには読みたいですよね。
―― 『逆光線』の評判は、どうだったんでしょう?
立野:『逆光線』は、ほんとうに読み切りだからこそ、出しきったお話だったんだと思います。三人で心中未遂して、一人だけが消える、けっこう暗いラストなんですけど、好きだって云ってくれる読者は、『裏通りのシキ』同様、たった一回描いただけでもずっと覚えていてくれます。
少女マンガは、いま、できれば明るくとかそういう方向に走っているけど、読者はほんとうはそんなことを気にしないと思うんですよね。
―― 涙の流せるものも…。
立野:好きだと思うんですよね(笑)。人の死とか…。
―― 女の子はナイーブなセンチメンタルな話が好きですよね。
立野:そう思うんですけどもね。少女マンガにしてもBLにしても。描き手も女で、読者も女の子で、女同士で、「せつないね〜」みたいな世界。女の子にしかわからない世界。そういう感じのものも、もっと増えてもいいんじゃないかな。
二十年間続けたからいえること
―― もし、ランプの魔神が現れて、3つの願いをかなえてくれるとしたら、何を願いますか?
立野:まず、二十歳に戻してほしいですね。とりあえず、年齢を二十歳に。そして、そうですね、顔は仲間由紀恵に(笑)。それから最後の一つは、もうちょっと絵をうまくしてほしいですね。
―― 若くて美人に、というのは、女性の夢ですね。あと一つは、ふつうは財産に結びついてくるんですけど、財産ではなく、やはり絵、というところが、マンガ家さん独特の見解ですよね。
立野:これが一番、どうしようもないものなので。ちょうど今年で、私はデビュー二十周年になるんですよ。
二十年間描いてきたからこそわかるんですが、努力して、絵がうまくなるって、一定の部分までなんですよ。描けば描くほどうまくなるときって、まだ下手な時代なんです。基本までは、努力すればうまくなります。でも、そこから先は、じつは、センスなんじゃないかな?
すごくうまい人と、普通の人と、まあ下手な人がいたとして、普通に描ける人が、相当努力してもそれ以上はいけるもんじゃない。これはなにか、意識の改革とか、やり方を考えるとか、きっかけがあるとか、なにかが起こらないと、さらに上にいくっていうことは、正直ないんじゃないかと思っておりまして。二十年描いたからそのぶんうまくなるってことは、まずないですね。
いま、けっこう、昔の作品集を出してもらっているんです。それで、過去の自分の作品を見直す機会があるわけですが、またね、時代によって、デビュー時より、下手なときもあるんですよ。自分では、わかってないんですけど、荒れてるんですよ、画面が。
―― 精神的なものが?
立野:うん。描きなれて、描きとばしてるのか、たんに下手になってるのかはわからないんですけど。デビュー時より、下手じゃない? っていうときもあって、でも、その次に描いているのは、もうちょっとマシになっていたりも。でもすぐあとに、絵が崩れちゃうなんてこと、私だけかもしれないですけど、あるんですね。
―― なるほど。
立野:おおむね描き直したいって思うんですが、下手は下手なりに、これはマシなんじゃないってときと、なんで前より下手になってるんだろうってときがあるんですよ。きっと自分が、一番厳しい批評家なんでしょうけどね。
状況とか、精神的とか、体力的とか、いろいろな要因はあるとは思いますが、一定してうまくなっていくものじゃないんだな、って刊行するたびに、今改めて、発見してます。
私にできることは、描きつづけること
―― 読者は、細部よりは、全体的な印象をみてますよね。
立野:だからこそ、荒れるとわかると思いますよ。だから、なまけないで、描いていくしかないんですけども。でも、たぶん、スポーツ選手と同じなんじゃないですか。さぼったら、そのぶん体がなまるのと似てるんじゃないかな。
―― バイオリニストみたいな。三日さぼると一ケ月ぶん下手になるという。
立野:ほんとうにそう。描いてないと、下手になります。うまい方でも、描かないでいると落ちますよ(笑)。
そう考えると、絵っていったいどこで描いてるんでしょうね。
―― 今回は、貴重なお話をありがとうございました。最後に、読者の方にひとことお願いします。
立野:お時間があるときでいいので、読んでくださったら嬉しいな。絶対読んで……なんていえませんが、お時間があるときに読んでいただければそれで十分だな、と思っています。そして、できれば、応援してください。
(おわり)
posted by 日本文芸社 at 10:00| 記事
2006/12/28
立野真琴インタビュー -3-
【プロフィール】
立野真琴、本名。富山県出身。血液型は、たぶんA型。星座はおひつじ座。『ガラスの仮面』の美内すずえのアシスタントを経て、『花とゆめ』の『ゆられてたまごBoys(白泉社)』で少女マンガ家デビュー。今年、マンガ家歴二十周年を迎える。
原体験ここに
―― 一番、最初に読まれた少年愛ものは?
立野:たぶん、『トーマの心臓』だった気がします。小学生の頃ですね。でも、そのころは、雑多に読んでいるので、『エロイカより愛をこめて』の可能性もあるんです。そういう世界もあるのか、と。
―― 衝撃を受けましたか?
立野:いや、最初は理解ができないですよ。でも、なんか好きかも、と(笑)。ここが興味のない人と違うんでしょうね。 あと、これもやはり、小学校ですが、私、TVドラマの『太陽にほえろ!』がすごく好きなんですけど、あれにとんでもない回があるんですよ。 小野寺昭がやってた、殿下って役の人が、犯人グループに捕まって、麻薬づけにさ
れる回があるんです。薬づけにされてしまった殿下が、幽閉されるんですけど、山さんという刑事に助けられるんですね。山さんは殿下とふたりきりで、部屋に閉じこもって、殿下の薬が抜けるまで一緒にいるといって、苦しむ殿下をはがいじめにしたりするんですよ。それをみて、ちょっとときめきましたね。いい話だなあ、と子供心にも思ったんで、アア、あれが、最初かもしれない。
―― そこが、もしや『青い羊の夢』の拷問シーンにつながってます?(笑)
立野:そこかな、そうかも、『太陽にほえろ!』かも。あとは、『傷だらけの天使』も好きですね。水谷豊と萩原健一。ほんとのことをいえば、マンガで、あのあたりを再現できたら最高なんですけどね。
―― BLに求めてるのは、その部分であると。
立野:そうかもしれない。いきすぎた男同士の友情と愛情みたいなのがいい(笑)。見たことないです? 『傷だらけの天使』。
―― ストーリーを教えてください。
立野:いや、ラストは、すごいですよ。
毎回毎回、ろくでもない、チンピラのふたり組が、いろいろな事件にかかわって、楽しく暮らしていたのに、最後に、後輩の水谷豊が、風邪であっさり死んじゃうんですよ。たぶん、結局童貞のまま。 萩原健一が、お風呂に泣きながら入れてやって。死んでる水谷豊をですよ。どこからかパクってきた、女の子のヌード写真のボードを、死体と一緒にドラム缶に入れてやって、泣きながら、浜辺に転がして、そのままおきざりにするんです。それで終わりなんです。せつないですよ。すっごく楽しく暮らしてきたふたりだけど、そんな終わり方をするんです。
―― ちょっと吉田秋生さんのマンガ『カリフォルニア物語』に似てません?
立野:近いです。ああいう感じですよね。相棒が死んで、片方がとり残されてしまう。近い雰囲気ですね。
―― 立野さんの原体験を聞いた気がします。
伝説のTVドラマを見よ!
立野:『傷天』は、その後DVDもでてるし、若い世代もみてるんですけど、『太陽にほえろ!』の『殿下の薬づけ』もみてほしい。殿下が、とにかく素敵で、優しいの。
―― 9・1分けの髪形で(笑)。
立野:殿下って、アダナなんですね。スコッチとか、殿下とか、山さんとか、ゴリさんとか、いろんなアダナがあるんですけど。殿下は、基本的に物腰が優雅で、男前役、優男なんです。素敵でしたよ、ホホホ。
―― 『殿下の薬づけ』というタイトルの回があるんですか?
立野:いや、違います。もっといいタイトルがついてたはずなんだけど、覚えてないの。だけど私のタイトルでは、『殿下の薬づけ』(笑)。 けっこう演出も、耽美的な手法をとられているんですよ。道路の下に隠し部屋が作ってあって、その上にマンホールがある。そこに薬が積みあげてあるんです。その隠し部屋に幽閉された殿下は薬ヅケにされて、上を見あげてるんですよ。自分が打たれた薬の紙で、鶴を折って、それをマンホールの穴から投げだすんです。それをみつけた山さんが、鶴を開いてなめて、「あ、薬だ。殿下はこの下にいる」って、彼をみつけだすんです。
―― 原体験は、TVドラマにありき? アニメもTVドラマですし。
立野:そうですね。もう、TV大好きでしたからね。TVばっかり見てたかもしれない。
いきすぎた男の友情に萌え?
―― 『太陽にほえろ!』や、『傷だらけの天使』が好きで、次に『ガンダム』がきて。ちなみに『ガンダム』はどういう組み合わせがお好きなんですか? シャア×アムロ?
立野:シャア×ガルマですよ。アムロなんか違いますよ(笑)。私のなかでは、シャア×ガルマですよ。 でもアニメだったら、ロマンでいうなら、永井豪先生原作の、『UFOロボ グレ
ンダイザー(以下、グレンダイザー)』が素晴らしいです。『マジンガーZ』『グレートマジンガー』『グレンダイザー』という一連のシリーズがあって、全部に兜甲児君という子がでてくるんですけど、『グレンダイザー』は、兜甲児君が、宇宙人の王子様とめぐりあう話なんですよ(笑)。
―― BLっぽいと。
立野:すごかったですよ。日本名・宇門大介さんという、実は宇宙の王子様であるデュークフリードが、グレンダイザーというロボットに乗って、兜甲児君っていうマジンガーZに乗ってる男の子のサポートについて、牧場で暮らすんです。だけど、宇宙人だってことは周りには黙ってなきゃいけないし。最後はきぬぎぬの別れをすると
いう、素晴らしいドラマです。デュークフリードは「君だけは、死なせはしない」とか口走るんですよ、女の子もいるのに。「君だけは、死なせはしない」と!
―― 『デビルマン』もそうですよね。
立野:『デビルマン』も、すごく好き。永井豪先生には、そういう部分が、ちょっとあると思います。BLファンは必ず、永井豪は読んだほうがいい。
―― じゃあ、立野さんの原体験は、永井豪さんと『太陽にほえろ!』というわけですね。では少女マンガの原点は?
立野:少女マンガは、美内すずえ先生や、一条ゆかり先生とか好きでした。やっぱり大河ドラマが好きでした。
―― 少女マンガでは描けないけど、BLでは描ける設定などはあります?
立野:少なくとも、アクションものは、BLのほうが描けますよ。犯罪がらみとか、ミステリーとか。少女マンガでも、刑事ものを描いたことはあるんですけど、BLのほうが、自由な気がします。
―― 一般的にBLは、相棒同士の話が多いという印象がありますが。
立野:じつは多くないのです。片方が優位に立つ話が、圧倒的に多いですよ。上司と部下とか、先輩と後輩とか。どちらかが優位に立っていて……たいがいそれが受なんですが(笑)……その人を攻略するために、部下や後輩ががんばるという話が多いようです。
―― それが恋によって変わるという(笑)。社会的な地位が、恋愛的な感情によって、逆転していくという(笑)。
立野:とか(笑)。社長が、圧倒的な権力で下をおさえる。でもだいたいその社長が、弱みをみせて、受が優位になるんです。落としにくい人が落とされたほうが、面白いんでしょうね。少女マンガもそうですけど。
でもじつは私は、年上とか、上司とか、優位な立場の人間が攻の話が好きなんです。
―― 立野さん自身は、優位のまま強引に押し進めていくパターンがお好きということですか?
立野:好きですネ。でも、BLには案外ないんです。ですので、せめて自分だけはこの、優位な人が攻のままのパターンでいきたいと思ったりしてますけど。
次回最終回につづく。
立野真琴、本名。富山県出身。血液型は、たぶんA型。星座はおひつじ座。『ガラスの仮面』の美内すずえのアシスタントを経て、『花とゆめ』の『ゆられてたまごBoys(白泉社)』で少女マンガ家デビュー。今年、マンガ家歴二十周年を迎える。
原体験ここに
―― 一番、最初に読まれた少年愛ものは?
立野:たぶん、『トーマの心臓』だった気がします。小学生の頃ですね。でも、そのころは、雑多に読んでいるので、『エロイカより愛をこめて』の可能性もあるんです。そういう世界もあるのか、と。
―― 衝撃を受けましたか?
立野:いや、最初は理解ができないですよ。でも、なんか好きかも、と(笑)。ここが興味のない人と違うんでしょうね。 あと、これもやはり、小学校ですが、私、TVドラマの『太陽にほえろ!』がすごく好きなんですけど、あれにとんでもない回があるんですよ。 小野寺昭がやってた、殿下って役の人が、犯人グループに捕まって、麻薬づけにさ
れる回があるんです。薬づけにされてしまった殿下が、幽閉されるんですけど、山さんという刑事に助けられるんですね。山さんは殿下とふたりきりで、部屋に閉じこもって、殿下の薬が抜けるまで一緒にいるといって、苦しむ殿下をはがいじめにしたりするんですよ。それをみて、ちょっとときめきましたね。いい話だなあ、と子供心にも思ったんで、アア、あれが、最初かもしれない。
―― そこが、もしや『青い羊の夢』の拷問シーンにつながってます?(笑)
立野:そこかな、そうかも、『太陽にほえろ!』かも。あとは、『傷だらけの天使』も好きですね。水谷豊と萩原健一。ほんとのことをいえば、マンガで、あのあたりを再現できたら最高なんですけどね。
―― BLに求めてるのは、その部分であると。
立野:そうかもしれない。いきすぎた男同士の友情と愛情みたいなのがいい(笑)。見たことないです? 『傷だらけの天使』。
―― ストーリーを教えてください。
立野:いや、ラストは、すごいですよ。
毎回毎回、ろくでもない、チンピラのふたり組が、いろいろな事件にかかわって、楽しく暮らしていたのに、最後に、後輩の水谷豊が、風邪であっさり死んじゃうんですよ。たぶん、結局童貞のまま。 萩原健一が、お風呂に泣きながら入れてやって。死んでる水谷豊をですよ。どこからかパクってきた、女の子のヌード写真のボードを、死体と一緒にドラム缶に入れてやって、泣きながら、浜辺に転がして、そのままおきざりにするんです。それで終わりなんです。せつないですよ。すっごく楽しく暮らしてきたふたりだけど、そんな終わり方をするんです。
―― ちょっと吉田秋生さんのマンガ『カリフォルニア物語』に似てません?
立野:近いです。ああいう感じですよね。相棒が死んで、片方がとり残されてしまう。近い雰囲気ですね。
―― 立野さんの原体験を聞いた気がします。
伝説のTVドラマを見よ!
立野:『傷天』は、その後DVDもでてるし、若い世代もみてるんですけど、『太陽にほえろ!』の『殿下の薬づけ』もみてほしい。殿下が、とにかく素敵で、優しいの。
―― 9・1分けの髪形で(笑)。
立野:殿下って、アダナなんですね。スコッチとか、殿下とか、山さんとか、ゴリさんとか、いろんなアダナがあるんですけど。殿下は、基本的に物腰が優雅で、男前役、優男なんです。素敵でしたよ、ホホホ。
―― 『殿下の薬づけ』というタイトルの回があるんですか?
立野:いや、違います。もっといいタイトルがついてたはずなんだけど、覚えてないの。だけど私のタイトルでは、『殿下の薬づけ』(笑)。 けっこう演出も、耽美的な手法をとられているんですよ。道路の下に隠し部屋が作ってあって、その上にマンホールがある。そこに薬が積みあげてあるんです。その隠し部屋に幽閉された殿下は薬ヅケにされて、上を見あげてるんですよ。自分が打たれた薬の紙で、鶴を折って、それをマンホールの穴から投げだすんです。それをみつけた山さんが、鶴を開いてなめて、「あ、薬だ。殿下はこの下にいる」って、彼をみつけだすんです。
―― 原体験は、TVドラマにありき? アニメもTVドラマですし。
立野:そうですね。もう、TV大好きでしたからね。TVばっかり見てたかもしれない。
いきすぎた男の友情に萌え?
―― 『太陽にほえろ!』や、『傷だらけの天使』が好きで、次に『ガンダム』がきて。ちなみに『ガンダム』はどういう組み合わせがお好きなんですか? シャア×アムロ?
立野:シャア×ガルマですよ。アムロなんか違いますよ(笑)。私のなかでは、シャア×ガルマですよ。 でもアニメだったら、ロマンでいうなら、永井豪先生原作の、『UFOロボ グレ
ンダイザー(以下、グレンダイザー)』が素晴らしいです。『マジンガーZ』『グレートマジンガー』『グレンダイザー』という一連のシリーズがあって、全部に兜甲児君という子がでてくるんですけど、『グレンダイザー』は、兜甲児君が、宇宙人の王子様とめぐりあう話なんですよ(笑)。
―― BLっぽいと。
立野:すごかったですよ。日本名・宇門大介さんという、実は宇宙の王子様であるデュークフリードが、グレンダイザーというロボットに乗って、兜甲児君っていうマジンガーZに乗ってる男の子のサポートについて、牧場で暮らすんです。だけど、宇宙人だってことは周りには黙ってなきゃいけないし。最後はきぬぎぬの別れをすると
いう、素晴らしいドラマです。デュークフリードは「君だけは、死なせはしない」とか口走るんですよ、女の子もいるのに。「君だけは、死なせはしない」と!
―― 『デビルマン』もそうですよね。
立野:『デビルマン』も、すごく好き。永井豪先生には、そういう部分が、ちょっとあると思います。BLファンは必ず、永井豪は読んだほうがいい。
―― じゃあ、立野さんの原体験は、永井豪さんと『太陽にほえろ!』というわけですね。では少女マンガの原点は?
立野:少女マンガは、美内すずえ先生や、一条ゆかり先生とか好きでした。やっぱり大河ドラマが好きでした。
―― 少女マンガでは描けないけど、BLでは描ける設定などはあります?
立野:少なくとも、アクションものは、BLのほうが描けますよ。犯罪がらみとか、ミステリーとか。少女マンガでも、刑事ものを描いたことはあるんですけど、BLのほうが、自由な気がします。
―― 一般的にBLは、相棒同士の話が多いという印象がありますが。
立野:じつは多くないのです。片方が優位に立つ話が、圧倒的に多いですよ。上司と部下とか、先輩と後輩とか。どちらかが優位に立っていて……たいがいそれが受なんですが(笑)……その人を攻略するために、部下や後輩ががんばるという話が多いようです。
―― それが恋によって変わるという(笑)。社会的な地位が、恋愛的な感情によって、逆転していくという(笑)。
立野:とか(笑)。社長が、圧倒的な権力で下をおさえる。でもだいたいその社長が、弱みをみせて、受が優位になるんです。落としにくい人が落とされたほうが、面白いんでしょうね。少女マンガもそうですけど。
でもじつは私は、年上とか、上司とか、優位な立場の人間が攻の話が好きなんです。
―― 立野さん自身は、優位のまま強引に押し進めていくパターンがお好きということですか?
立野:好きですネ。でも、BLには案外ないんです。ですので、せめて自分だけはこの、優位な人が攻のままのパターンでいきたいと思ったりしてますけど。
次回最終回につづく。
posted by 日本文芸社 at 00:00| 記事
2006/11/27
立野真琴インタビュー-2-
【プロフィール】
立野真琴、本名。富山県出身。血液型は、たぶんA型。星座はおひつじ座。『ガラスの仮面』の美内すずえのアシスタントを経て、『花とゆめ』の『ゆられてたまごBoys(白泉社)』で少女マンガ家デビュー。今年、マンガ家歴二十周年を迎える。
前回に引き続き、秋の夜長のにアダルトに、マンガ家人生二十年のエピソードをまじえたロングインタビュー第二弾。
ダメなんです、これだけは…
―― 『裏通りのシキ』について。コミックスのあとがきにもあったんですけど、じつは、おじさんと少女の組み合わせが好きであると。
立野:うん、大好きですね。
―― 少女マンガで、デビューされて、いまでは、BLも描かれている。どうしてそのふたつを両立させることができるのでしょう?
立野:私は基本的に飽き性で、わりとどれもこれも好きなパターンがあるんです。
少女マンガでも、おじさんと少女にかぎらず、年上の女性と少年とか、同年代とかも好き。その延長線上にBLもあって。あまり、これが好き、というふうに、ひとつには絞れないんですよ。
―― 少女マンガではおじさんと少女、BLではおじさんと少年というように、何か共通項でつながってるとか。
立野:まったくないですね。BLで好きなのは、むしろ同世代なんですよ。対等なほうが自分としては好きです。でも、なんだかんだいって、少女マンガも同世代男女
を描くんですよ。だから逆に『裏通りのシキ』では、めったに描けないおじさんと少女だったので、楽しかったんです。
でもどうしてもダメなパターンもあるんですよね、不思議なことに。
―― ちなみにそれはどのような?
立野:いやぁ、問題発言じゃないですかね。どうしてもダメなパターンは、小学生がオヤジを、なんて、ダメです。年の差二十は耐えられない。ダメなんです、これだけは!
―― どうしてダメなんでしょうね。四十才と六十才は?
立野:だいぶ、許容範囲になってきました。
―― 老化が許容範囲!?
立野:子供の攻めがダメ。子供がオヤジにむかってそれはないだろう…という。せめて五才くらい上までにしてっと思ってしまう。そういう年齢差が、私には、まだ許容できない部分なんですよ。
―― 礼儀を重んじてしまう?
立野:いやー、体力的にも、体格的にもありえないでしょう。
―― シキもそうですが、同じキャラクターが、違う作品にも、何度もでてくるスターシステムの手法をとられていますよね。
立野:『裏通りのシキ』は、続編が描きたかった一番の作品なんですよ。
読み切りでいただいた話で、その後、他のシリーズをはじめたので、描くチャンスがなかったんです。やっぱり長い連載をやったキャラクターの方が、思い入れの度合いは違いますよ。ただこれだけは描けなかったから、心残りがあるんです。
―― まだシキには魂が残っているという。
立野:他のキャラクターは、けっこう満足するまで描けたんですが、シキだけはもうちょっと描きたかったなぁっていう心が残ったんだと思います。で、ちょこっと脇役にならいいかな、と思って使いはじめたら、けっこう読者の方も喜んでくださって。クセになっちゃった。でも、『青い羊の夢』のシキと『裏通りのシキ』のシキは違う人なんですよ。
―― まさしくスターシステム。
立野:そうなんです。使いやすいんですよね、なんでも屋みたいな役どころで。
男の子はおなかとお尻!
―― 描くのは朝方?
立野:朝五時まで、描いてます。せっぱつまったときはそのまま延長で……。でもうちはちゃんと八時間くらい寝てます。さし迫ったら、四時間とか三時間とか(笑)。
完徹すると、みんながヨイヨイになっちゃって、全然仕事にならないんですよ。若い頃は馬力があったから、二日くらい徹夜してましたけど。
―― ちなみに、立野さんは一日にどれくらいマンガを描かれるんですか?
立野:だいたい十四、五時間くらい。途中でご飯を食べるときに、一時間くらいずつ休んだりしているので、仕事自体は十一時間か、十二時間くらいかな?
―― BGMをかけながら?
立野:かけてますよ。私、邦楽が好きなんです。『Steal Moon』ではL’Arc〜en〜Ciel(以下、ラルク)が多いかな?
―― ビジュアルバンドが多い?
立野:ビジュアルバンドも大好きですけど、J−POPも好きです。サニーデイ・サービスとか、くるりとか、フィッシュマンズとか。でも、ラルクとかムックとかDirengreyも好き。ただ少女マンガのときは、ちょっとヌルめにJ−POPで、BLのときは、ハードなビジュアル系を聞いている気がします。
―― 女の子と男の子、どっちが描きやすいですか?
立野:男の子ですね。マンガを描きはじめたころは、女の子ばかり描いていたんですが、男の子ってむずかしいから、猛練習しちゃうんですよ。そうなると男の子のほうが、今度は描きやすくなっちゃった。
―― 男の人の場合、どのあたりを注意して描かれますか?
立野:おなか…、あたり、かな。裸体にかぎらず。できるだけ、ストンとなるように。あそこが一番、女の子と男の子で違う部分だと思うので。男の子のほうが胴が長くて、ストンとなってそのままお尻にいくっていう。
―― 女の子はぷりっとなってますから。
立野:そうですね、だから女の子のほうが、デフォルメがきくので楽なんですけど。男の子は、しぼってあるというよりはズドンと、できるだけ直線的に描きたい。さらに筋肉がついているほうがよいので、お腹も割っちゃいます。
―― お尻は大きめがいい? それとも小さめ?
立野:小さめがいい。でもスレンダーなキャラクターを描かれる方よりは、ずいぶんと私のは肉感的なんじゃないかな?
イヤがるハムにナニをスル…
―― お酒がすごく好きとのことですが、マンガを描かれながら飲んだりも?
立野:飲んでも描けるんですけど(笑)、いちおう、飲まないようにしてます。
―― やっぱりお酒を飲みながらのほうが、インスピレーションがわきますか?
立野:うーん、お酒を飲んでると、お酒のことしか考えてない。だいたい無駄話ばかりしてます。でも、飲み友達はけっこういて、声優さんとか、マンガ家じゃないお友達が多いんですよ。飲み会でそういうお話を聞いていると、アイデアが浮かぶときがありますね。
―― ハムスターもお好きとか。
立野:はい、大好きです(笑)。ハムスターには、今日も、「行ってくるね?」って出てきました。寝てましたけど(笑)。
―― ハムスターと他の動物の魅力の差は? 抱き心地ですか?
立野:いや、飼いやすさです。エサと水をちゃんとやっていれば、ほったらかしていても小屋のなかでも、勝手に遊んでるんで。おおむね寝てるし。ときおり、出して遊んで…けっこう飼い馴らすのは得意ですよ(笑)。
―― 今、何代目なんですか?
立野:十代目くらいかな? 三年くらいの寿命ですが、私独りぼっちになるとさびしいので。一年たつと、次のやつを飼ったりして、重複する時期があったので、それで十代くらい。
―― ちなみに、名前は全部覚えてますか?
立野:覚えてますよ! 最初がハム吉で、チュミに、マイケルで、次がドングリ。
マロンで、ピーナッツ。そのあとファーファで、あ、すいません、八代目だ。いまいるのがジュジュなんで八代目ですね。
―― ハムスターも1匹1匹顔が違います?
立野:全然違います。性格も違いますよ。オレンジジュース好きな子とか、ヨーグルト好きな子とか嫌いな子とか。これは、どうも生まれついてあるみたいで……。ヨーグルト嫌いな子には、無理やりヨーグルトを流しこむという作業があるので。おなかをこわさないために、自分がヨーグルトを食べるときに、食べさせておくんです。
ですので、嫌いな子には、嫌がる受にナニする人みたいに、飲め! みたいなことをやってますよ(笑)。(つづく)
立野真琴、本名。富山県出身。血液型は、たぶんA型。星座はおひつじ座。『ガラスの仮面』の美内すずえのアシスタントを経て、『花とゆめ』の『ゆられてたまごBoys(白泉社)』で少女マンガ家デビュー。今年、マンガ家歴二十周年を迎える。
前回に引き続き、秋の夜長のにアダルトに、マンガ家人生二十年のエピソードをまじえたロングインタビュー第二弾。
ダメなんです、これだけは…
―― 『裏通りのシキ』について。コミックスのあとがきにもあったんですけど、じつは、おじさんと少女の組み合わせが好きであると。
立野:うん、大好きですね。
―― 少女マンガで、デビューされて、いまでは、BLも描かれている。どうしてそのふたつを両立させることができるのでしょう?
立野:私は基本的に飽き性で、わりとどれもこれも好きなパターンがあるんです。
少女マンガでも、おじさんと少女にかぎらず、年上の女性と少年とか、同年代とかも好き。その延長線上にBLもあって。あまり、これが好き、というふうに、ひとつには絞れないんですよ。
―― 少女マンガではおじさんと少女、BLではおじさんと少年というように、何か共通項でつながってるとか。
立野:まったくないですね。BLで好きなのは、むしろ同世代なんですよ。対等なほうが自分としては好きです。でも、なんだかんだいって、少女マンガも同世代男女
を描くんですよ。だから逆に『裏通りのシキ』では、めったに描けないおじさんと少女だったので、楽しかったんです。
でもどうしてもダメなパターンもあるんですよね、不思議なことに。
―― ちなみにそれはどのような?
立野:いやぁ、問題発言じゃないですかね。どうしてもダメなパターンは、小学生がオヤジを、なんて、ダメです。年の差二十は耐えられない。ダメなんです、これだけは!
―― どうしてダメなんでしょうね。四十才と六十才は?
立野:だいぶ、許容範囲になってきました。
―― 老化が許容範囲!?
立野:子供の攻めがダメ。子供がオヤジにむかってそれはないだろう…という。せめて五才くらい上までにしてっと思ってしまう。そういう年齢差が、私には、まだ許容できない部分なんですよ。
―― 礼儀を重んじてしまう?
立野:いやー、体力的にも、体格的にもありえないでしょう。
―― シキもそうですが、同じキャラクターが、違う作品にも、何度もでてくるスターシステムの手法をとられていますよね。
立野:『裏通りのシキ』は、続編が描きたかった一番の作品なんですよ。
読み切りでいただいた話で、その後、他のシリーズをはじめたので、描くチャンスがなかったんです。やっぱり長い連載をやったキャラクターの方が、思い入れの度合いは違いますよ。ただこれだけは描けなかったから、心残りがあるんです。
―― まだシキには魂が残っているという。
立野:他のキャラクターは、けっこう満足するまで描けたんですが、シキだけはもうちょっと描きたかったなぁっていう心が残ったんだと思います。で、ちょこっと脇役にならいいかな、と思って使いはじめたら、けっこう読者の方も喜んでくださって。クセになっちゃった。でも、『青い羊の夢』のシキと『裏通りのシキ』のシキは違う人なんですよ。
―― まさしくスターシステム。
立野:そうなんです。使いやすいんですよね、なんでも屋みたいな役どころで。
男の子はおなかとお尻!
―― 描くのは朝方?
立野:朝五時まで、描いてます。せっぱつまったときはそのまま延長で……。でもうちはちゃんと八時間くらい寝てます。さし迫ったら、四時間とか三時間とか(笑)。
完徹すると、みんながヨイヨイになっちゃって、全然仕事にならないんですよ。若い頃は馬力があったから、二日くらい徹夜してましたけど。
―― ちなみに、立野さんは一日にどれくらいマンガを描かれるんですか?
立野:だいたい十四、五時間くらい。途中でご飯を食べるときに、一時間くらいずつ休んだりしているので、仕事自体は十一時間か、十二時間くらいかな?
―― BGMをかけながら?
立野:かけてますよ。私、邦楽が好きなんです。『Steal Moon』ではL’Arc〜en〜Ciel(以下、ラルク)が多いかな?
―― ビジュアルバンドが多い?
立野:ビジュアルバンドも大好きですけど、J−POPも好きです。サニーデイ・サービスとか、くるりとか、フィッシュマンズとか。でも、ラルクとかムックとかDirengreyも好き。ただ少女マンガのときは、ちょっとヌルめにJ−POPで、BLのときは、ハードなビジュアル系を聞いている気がします。
―― 女の子と男の子、どっちが描きやすいですか?
立野:男の子ですね。マンガを描きはじめたころは、女の子ばかり描いていたんですが、男の子ってむずかしいから、猛練習しちゃうんですよ。そうなると男の子のほうが、今度は描きやすくなっちゃった。
―― 男の人の場合、どのあたりを注意して描かれますか?
立野:おなか…、あたり、かな。裸体にかぎらず。できるだけ、ストンとなるように。あそこが一番、女の子と男の子で違う部分だと思うので。男の子のほうが胴が長くて、ストンとなってそのままお尻にいくっていう。
―― 女の子はぷりっとなってますから。
立野:そうですね、だから女の子のほうが、デフォルメがきくので楽なんですけど。男の子は、しぼってあるというよりはズドンと、できるだけ直線的に描きたい。さらに筋肉がついているほうがよいので、お腹も割っちゃいます。
―― お尻は大きめがいい? それとも小さめ?
立野:小さめがいい。でもスレンダーなキャラクターを描かれる方よりは、ずいぶんと私のは肉感的なんじゃないかな?
イヤがるハムにナニをスル…
―― お酒がすごく好きとのことですが、マンガを描かれながら飲んだりも?
立野:飲んでも描けるんですけど(笑)、いちおう、飲まないようにしてます。
―― やっぱりお酒を飲みながらのほうが、インスピレーションがわきますか?
立野:うーん、お酒を飲んでると、お酒のことしか考えてない。だいたい無駄話ばかりしてます。でも、飲み友達はけっこういて、声優さんとか、マンガ家じゃないお友達が多いんですよ。飲み会でそういうお話を聞いていると、アイデアが浮かぶときがありますね。
―― ハムスターもお好きとか。
立野:はい、大好きです(笑)。ハムスターには、今日も、「行ってくるね?」って出てきました。寝てましたけど(笑)。
―― ハムスターと他の動物の魅力の差は? 抱き心地ですか?
立野:いや、飼いやすさです。エサと水をちゃんとやっていれば、ほったらかしていても小屋のなかでも、勝手に遊んでるんで。おおむね寝てるし。ときおり、出して遊んで…けっこう飼い馴らすのは得意ですよ(笑)。
―― 今、何代目なんですか?
立野:十代目くらいかな? 三年くらいの寿命ですが、私独りぼっちになるとさびしいので。一年たつと、次のやつを飼ったりして、重複する時期があったので、それで十代くらい。
―― ちなみに、名前は全部覚えてますか?
立野:覚えてますよ! 最初がハム吉で、チュミに、マイケルで、次がドングリ。
マロンで、ピーナッツ。そのあとファーファで、あ、すいません、八代目だ。いまいるのがジュジュなんで八代目ですね。
―― ハムスターも1匹1匹顔が違います?
立野:全然違います。性格も違いますよ。オレンジジュース好きな子とか、ヨーグルト好きな子とか嫌いな子とか。これは、どうも生まれついてあるみたいで……。ヨーグルト嫌いな子には、無理やりヨーグルトを流しこむという作業があるので。おなかをこわさないために、自分がヨーグルトを食べるときに、食べさせておくんです。
ですので、嫌いな子には、嫌がる受にナニする人みたいに、飲め! みたいなことをやってますよ(笑)。(つづく)
posted by 日本文芸社 at 11:52| Comment(0)
| 記事
2006/10/27
立野真琴インタビュー -1-
【プロフィール】
立野真琴、本名。富山県出身。血液型は、たぶんA型。星座はおひつじ座。『ガラスの仮面』の美内すずえのアシスタントを経て、『花とゆめ』の『ゆられてたまごBoys(白泉社)』で少女マンガ家デビュー。今年、マンガ家歴二十周年を迎える。
秋の夜もふけゆく、神楽坂のとある料亭の個室にて。お酒をしっとり傾けながら、アダルトに、マンガ家人生二十年のエピソードの、ほんの一部をかいまみせてくれたひととき――。2時間30分のロングインタビューを貴女に。
男同士に抵抗ナシ
―― 最初は少女マンガを描かれていた立野真琴さん。いつごろからBLを描かれていたんですか?
立野:実は趣味で、デビュー前から同人誌をずっとやっておりました。だいたい二次創作(パロディ)なんですよ。
―― 一番最初の同人誌はなにを?
立野:最初は『機動戦士ガンダム(以下、ガンダム)』ですね。ファーストですよ!
―― 同人誌はずっとやってらしたわけですか?
立野:そうです。だからそれに関しては趣味の範囲で、コソコソとずっとやってて。
BLは、結局それがオリジナルになったような(笑)。
―― じゃあ、男同士に抵抗なんかあるわけないって感じですね。
立野:ないですね〜。
―― なんらかの抵抗があって、それを乗り越えられたわけではないんですね。
立野:いや〜全然ないんです。すみません〜(笑)。
―― 少女マンガのデビューのきっかけは?
立野:高校時代から『花とゆめ』に投稿していたんですよ。いつも十位以内には入るんだけど、最高二位まで行ったんですけど、デビューできないの。
チャート式で批評がくるんですが、キャラがたってないとかっていわれても、投稿中には理解できないんですよ。で、行きづまってしまったところを担当さんに、「高校卒業したらどうするの?」って。「マンガ家にはなりたいけど、このままではどうでしょう?」とお話をしていたときに、美内すずえ先生か和田慎二先生のところに紹介ができると。それで、二年間の契約で、美内先生のアシスタントになりました。
二年間投稿をやめていたのが、逆に良かったのかな? 二年目の、そろそろアシスタントの契約が切れる時期に、アテナ大賞(『花とゆめ』の大賞)に出したらひっかかったんですね。それがデビューのきっかけです。
―― アシスタント経験で、なにかをつかんだんですね。
立野:美内先生は人の作品に口をだす方じゃないんですよ。ネームも見ていただいたんですけど、的確に、「ここがダメなんじゃないかな」とは言ってくださるんですけど、どうしたらいいとはおっしゃらないんです。だからきっと、お手伝いをしているうちに、なにかを得たんだと(笑)。
―― 余談ですが、『ガラスの仮面』のキャラクターで、好きなキャラクターはいますか?
立野:真澄様と聖さん(笑)。聖さんが出てくるときには、みんな私がトーンを貼ったんですよ。「聖さんは私が貼っていいですか」って貼りました(笑)。
少女マンガもBLもおんなじ
―― では、『花恋』本誌で連載されている『Steal Moon』についてお聞かせください。冒頭が格闘シーンから始まってますね?
立野:これは、私の趣味が入っています。格闘ゲームの『THE KING OF FIGHTERS』がすごく好きなんです。ゲーセンにまで通いつめましたとも。一日中、ゲーセンにいる男たちに、戦いを挑んではやられて(笑)。
担当さんに原稿をみせたときに、「格闘シーンが、かっこいいですね」って。じゃあとばかりに、「本当は、あと5枚くらい描きたいんですけど」っていったら、「やめてください」って(笑)。
―― 『青い羊の夢』では、拷問シーンもでてきますネ(笑)。
立野:痛めつけられても、こたえてないタイプは、ちょっとくらい痛めつけた方がいい。でも本当は痛いのは、あんまり好きじゃないんです。
―― ひ弱な人を痛めつけたいわけじゃないという。
立野:それはちょっと可哀相(笑)。でも私はひ弱な方が、実は芯が強かった、というのが好きなんですよ。ひ弱にみえていたけど、窮地では、そいつが一番しっかりしていて、頼りになるというのがいい。だから、逆に攻に関しては、普段はあくまでかっこよく。崩れそうになったときに、受が助けるというのが好きですね。
―― 立野マンガの極意を聞いているような(笑)。
立野:意外性が、BLの醍醐味なんじゃないかな? でも本当は、少女マンガでも、それはあると思いますよ。女の子の方が、実は強かったとかね。そうすると、読者もグッとくると思うんですよ。
だから描くとき、私は少女マンガだからとか、BLだからとか、あまり考えてないですね。大筋は変わらないものだと思う。味つけが違うくらいかな? とくに主軸となる恋愛は、それほど変わらないと思います。
―― じゃあ、立野さんとしては、少女マンガとBLは、恋愛に関しては、あまり差はないと。
立野:恋愛に関しては、どちらも同じじゃないですか?
―― 『Steal Moon』のなかで、特に思い入れのあるシーンがあったら教えてください。
立野:そうですね、一話はかなり思い入れがあります。すごく考えて、これやってもいいのかな? どうしようかなぁと考えましたので。
―― 主人公がのぞき部屋に売られる、というアイデアはおもしろかったです。
立野:インターネットで自分の私生活を公表している人がいるという特集を、テレビでみて、それが始まりなんですけど。私には、信じられないことだったんですよ! だって二十四時間、自分の私生活をみせるわけじゃないですか。でも、それをみたい人はいるんだろうなって思って。アクセス数もすごいというので、印象に残ってた特集だったんですが、まさか、自分もBLで使うとは(笑)。
今後の展開に注目?! 『Steal Moon』
―― 『Steal Moon』『青い羊の夢』『裏通りのシキ』、この一連のシリーズは、立野さんにはめずらしく、近未来モノですね。
立野:『青い羊の夢』は少女マンガで描いた作品ですので、読者も、驚いた人は多かったんです。でも、大変熱烈に、好きだといってくれる読者もいて、編集部もつづけるか、最初は迷っていたようですが、結局は、別のジャンルをやってみよう、ということになりまして。
『花恋』で、『Steal Moon』をやるときに、近未来モノをやってみたいんだけど、BLで近未来ってどうなんだろう? って、担当さんに話をしましたところ、よいとのことでしたので、このシリーズを選びました。ただし、のちのち聞いたところでは、担当さんの英断だったみたいですよ。どうかな? ダメかもしれないけど、やってみようかみたいな(笑)。
―― 近未来モノで、なにか影響を受けた作品はありますか?
立野:もともとSFは好きなジャンルなんです。アニメも好きですし。
―― たとえばどういう作品が?
立野:もう、『ガンダム』から、サンライズ作品はひととおり(笑)。東映系も、大好きですし。アニメは子供のころから大好きですね。あと永井豪先生も大っ好きなんですよ!!
そのあたりに影響されて、SF好きになったんだと思います。マンガや小説ファンというよりは、アニメファンでしたね。
―― 『ガンダム』以外の、近未来モノで好きな作品はありますか?
立野:言いだすときりがないんですけど(笑)、『装甲騎兵ボトムズ』とか、『スクライド』とか、映画だと『ブレードランナー』とか。
昔はファンタジーには興味はなかったんですけど、いまは『ハリー・ポッター』や『ナルニア国物語』もおもしろい。あとは、だれでもみれるスタンダードなSF大作映画は、ひととおり見ましたね。『猿の惑星』とか(笑)、『2001年宇宙の旅』とか。
―― 『Steal Moon』は、萩尾望都さんの『マージナル』を彷彿とさせるような雰囲気ですね。
立野:本当ですか? 光栄です。萩尾望都先生のSFは大好きでしたので。でもどちらかというと、影響はアニメや、少年マンガや、映画のほうが大きいと思います。萩尾先生の作品は、いま読み返したら、また逆に影響を受けるかもしれないですね。
―― 今回は、ビハーン(マリア)が登場して、『Steal Moon』と『青い羊の夢』の舞台がつながったわけですけど、この世界観は、いつ、どこなのか、などまだまだ謎の多い設定のように思います。これはじょじょに解けてゆくのでしょうか?
立野:時代は、あまり具体的には、考えてないんですけれど、いまから、十五年後とか二十年後とか、そうは遠くない未来。あまり時代が離れると、進化しすぎて、想像が追いつかなくなっちゃうので(笑)。だから、あまりSFっぽくない、機械ばかりではないように描いてるんですけど。
どこかの国の、多民族のいる街という、イメージで描いています。新宿や新大久保のなれのはての印象に近いかな? 国もさだかではなく、日本ではないんです。だから、具体的に街の名前もださないで、あだ名しかだしていません。
―― SFだけではなく、ハードボイルドとミステリーをかけあわせたような雰囲気もありますが。
立野:私、ミステリーもじつは下手なりに好きなんですよ。少し仕掛けがしたい、といつも思っていて。そうだったのか! とできれば読んでる方に思ってほしいんです。ですので、じつは『Steal Moon』もひと仕掛けあります(笑)。
―― ありますか!
立野:あります!! 最後の方でわかります(笑)。何げなく、いま見ているページにも、「あッホントだ!」っていうのが一つ、だしてあります。
―― 今後の展開から、目がはなせませんね。
(つづく)
立野真琴、本名。富山県出身。血液型は、たぶんA型。星座はおひつじ座。『ガラスの仮面』の美内すずえのアシスタントを経て、『花とゆめ』の『ゆられてたまごBoys(白泉社)』で少女マンガ家デビュー。今年、マンガ家歴二十周年を迎える。
秋の夜もふけゆく、神楽坂のとある料亭の個室にて。お酒をしっとり傾けながら、アダルトに、マンガ家人生二十年のエピソードの、ほんの一部をかいまみせてくれたひととき――。2時間30分のロングインタビューを貴女に。
男同士に抵抗ナシ
―― 最初は少女マンガを描かれていた立野真琴さん。いつごろからBLを描かれていたんですか?
立野:実は趣味で、デビュー前から同人誌をずっとやっておりました。だいたい二次創作(パロディ)なんですよ。
―― 一番最初の同人誌はなにを?
立野:最初は『機動戦士ガンダム(以下、ガンダム)』ですね。ファーストですよ!
―― 同人誌はずっとやってらしたわけですか?
立野:そうです。だからそれに関しては趣味の範囲で、コソコソとずっとやってて。
BLは、結局それがオリジナルになったような(笑)。
―― じゃあ、男同士に抵抗なんかあるわけないって感じですね。
立野:ないですね〜。
―― なんらかの抵抗があって、それを乗り越えられたわけではないんですね。
立野:いや〜全然ないんです。すみません〜(笑)。
―― 少女マンガのデビューのきっかけは?
立野:高校時代から『花とゆめ』に投稿していたんですよ。いつも十位以内には入るんだけど、最高二位まで行ったんですけど、デビューできないの。
チャート式で批評がくるんですが、キャラがたってないとかっていわれても、投稿中には理解できないんですよ。で、行きづまってしまったところを担当さんに、「高校卒業したらどうするの?」って。「マンガ家にはなりたいけど、このままではどうでしょう?」とお話をしていたときに、美内すずえ先生か和田慎二先生のところに紹介ができると。それで、二年間の契約で、美内先生のアシスタントになりました。
二年間投稿をやめていたのが、逆に良かったのかな? 二年目の、そろそろアシスタントの契約が切れる時期に、アテナ大賞(『花とゆめ』の大賞)に出したらひっかかったんですね。それがデビューのきっかけです。
―― アシスタント経験で、なにかをつかんだんですね。
立野:美内先生は人の作品に口をだす方じゃないんですよ。ネームも見ていただいたんですけど、的確に、「ここがダメなんじゃないかな」とは言ってくださるんですけど、どうしたらいいとはおっしゃらないんです。だからきっと、お手伝いをしているうちに、なにかを得たんだと(笑)。
―― 余談ですが、『ガラスの仮面』のキャラクターで、好きなキャラクターはいますか?
立野:真澄様と聖さん(笑)。聖さんが出てくるときには、みんな私がトーンを貼ったんですよ。「聖さんは私が貼っていいですか」って貼りました(笑)。
少女マンガもBLもおんなじ
―― では、『花恋』本誌で連載されている『Steal Moon』についてお聞かせください。冒頭が格闘シーンから始まってますね?
立野:これは、私の趣味が入っています。格闘ゲームの『THE KING OF FIGHTERS』がすごく好きなんです。ゲーセンにまで通いつめましたとも。一日中、ゲーセンにいる男たちに、戦いを挑んではやられて(笑)。
担当さんに原稿をみせたときに、「格闘シーンが、かっこいいですね」って。じゃあとばかりに、「本当は、あと5枚くらい描きたいんですけど」っていったら、「やめてください」って(笑)。
―― 『青い羊の夢』では、拷問シーンもでてきますネ(笑)。
立野:痛めつけられても、こたえてないタイプは、ちょっとくらい痛めつけた方がいい。でも本当は痛いのは、あんまり好きじゃないんです。
―― ひ弱な人を痛めつけたいわけじゃないという。
立野:それはちょっと可哀相(笑)。でも私はひ弱な方が、実は芯が強かった、というのが好きなんですよ。ひ弱にみえていたけど、窮地では、そいつが一番しっかりしていて、頼りになるというのがいい。だから、逆に攻に関しては、普段はあくまでかっこよく。崩れそうになったときに、受が助けるというのが好きですね。
―― 立野マンガの極意を聞いているような(笑)。
立野:意外性が、BLの醍醐味なんじゃないかな? でも本当は、少女マンガでも、それはあると思いますよ。女の子の方が、実は強かったとかね。そうすると、読者もグッとくると思うんですよ。
だから描くとき、私は少女マンガだからとか、BLだからとか、あまり考えてないですね。大筋は変わらないものだと思う。味つけが違うくらいかな? とくに主軸となる恋愛は、それほど変わらないと思います。
―― じゃあ、立野さんとしては、少女マンガとBLは、恋愛に関しては、あまり差はないと。
立野:恋愛に関しては、どちらも同じじゃないですか?
―― 『Steal Moon』のなかで、特に思い入れのあるシーンがあったら教えてください。
立野:そうですね、一話はかなり思い入れがあります。すごく考えて、これやってもいいのかな? どうしようかなぁと考えましたので。
―― 主人公がのぞき部屋に売られる、というアイデアはおもしろかったです。
立野:インターネットで自分の私生活を公表している人がいるという特集を、テレビでみて、それが始まりなんですけど。私には、信じられないことだったんですよ! だって二十四時間、自分の私生活をみせるわけじゃないですか。でも、それをみたい人はいるんだろうなって思って。アクセス数もすごいというので、印象に残ってた特集だったんですが、まさか、自分もBLで使うとは(笑)。
今後の展開に注目?! 『Steal Moon』
―― 『Steal Moon』『青い羊の夢』『裏通りのシキ』、この一連のシリーズは、立野さんにはめずらしく、近未来モノですね。
立野:『青い羊の夢』は少女マンガで描いた作品ですので、読者も、驚いた人は多かったんです。でも、大変熱烈に、好きだといってくれる読者もいて、編集部もつづけるか、最初は迷っていたようですが、結局は、別のジャンルをやってみよう、ということになりまして。
『花恋』で、『Steal Moon』をやるときに、近未来モノをやってみたいんだけど、BLで近未来ってどうなんだろう? って、担当さんに話をしましたところ、よいとのことでしたので、このシリーズを選びました。ただし、のちのち聞いたところでは、担当さんの英断だったみたいですよ。どうかな? ダメかもしれないけど、やってみようかみたいな(笑)。
―― 近未来モノで、なにか影響を受けた作品はありますか?
立野:もともとSFは好きなジャンルなんです。アニメも好きですし。
―― たとえばどういう作品が?
立野:もう、『ガンダム』から、サンライズ作品はひととおり(笑)。東映系も、大好きですし。アニメは子供のころから大好きですね。あと永井豪先生も大っ好きなんですよ!!
そのあたりに影響されて、SF好きになったんだと思います。マンガや小説ファンというよりは、アニメファンでしたね。
―― 『ガンダム』以外の、近未来モノで好きな作品はありますか?
立野:言いだすときりがないんですけど(笑)、『装甲騎兵ボトムズ』とか、『スクライド』とか、映画だと『ブレードランナー』とか。
昔はファンタジーには興味はなかったんですけど、いまは『ハリー・ポッター』や『ナルニア国物語』もおもしろい。あとは、だれでもみれるスタンダードなSF大作映画は、ひととおり見ましたね。『猿の惑星』とか(笑)、『2001年宇宙の旅』とか。
―― 『Steal Moon』は、萩尾望都さんの『マージナル』を彷彿とさせるような雰囲気ですね。
立野:本当ですか? 光栄です。萩尾望都先生のSFは大好きでしたので。でもどちらかというと、影響はアニメや、少年マンガや、映画のほうが大きいと思います。萩尾先生の作品は、いま読み返したら、また逆に影響を受けるかもしれないですね。
―― 今回は、ビハーン(マリア)が登場して、『Steal Moon』と『青い羊の夢』の舞台がつながったわけですけど、この世界観は、いつ、どこなのか、などまだまだ謎の多い設定のように思います。これはじょじょに解けてゆくのでしょうか?
立野:時代は、あまり具体的には、考えてないんですけれど、いまから、十五年後とか二十年後とか、そうは遠くない未来。あまり時代が離れると、進化しすぎて、想像が追いつかなくなっちゃうので(笑)。だから、あまりSFっぽくない、機械ばかりではないように描いてるんですけど。
どこかの国の、多民族のいる街という、イメージで描いています。新宿や新大久保のなれのはての印象に近いかな? 国もさだかではなく、日本ではないんです。だから、具体的に街の名前もださないで、あだ名しかだしていません。
―― SFだけではなく、ハードボイルドとミステリーをかけあわせたような雰囲気もありますが。
立野:私、ミステリーもじつは下手なりに好きなんですよ。少し仕掛けがしたい、といつも思っていて。そうだったのか! とできれば読んでる方に思ってほしいんです。ですので、じつは『Steal Moon』もひと仕掛けあります(笑)。
―― ありますか!
立野:あります!! 最後の方でわかります(笑)。何げなく、いま見ているページにも、「あッホントだ!」っていうのが一つ、だしてあります。
―― 今後の展開から、目がはなせませんね。
(つづく)
2006/09/28
やまかみ梨由 先生 インタビュー -2-
<Profile>「やまかみりゆ」 漫画家 徳島県出身、蠍座のA型
炭水化物とあずきとゲームを愛し、4匹のネコと同居。〆切りは比較的守る、仕事は早い。「でも、一日のノルマを少なく設定しています。」(と、ご本人談)
代表作品に「ぴかぴかDAYs」(花恋コミックス 06,7/28発売)日本文芸社「そして恋になる」(Dariaコミックス 06,5/22発売)フロンティアワークス「たからもの上・下」(双葉社名作文庫)双葉社 他

<ネコ、大脱走事件>
−− マンガ家さんって「ネコちゃん派」が多くないですか?
散歩に出なくても済むし、ライフスタイルに合ってるってことでしょうか。
やまかみ 知り合いのマンガ家さんで犬を飼っている人もいますよ。でも私はネコ派
かな。
前に住んでいたマンションの近所で、ネコにエサをあげる人が結構いて、たくさんネ
コが集まってきてたんです。そのネコたちがまた恋をして、どんどん増えちゃったん
ですよ。
−− あ、子猫を見つけたらほっとけないんですね。
やまかみ そうなんです。次々拾ってきて、多いときは10匹くらいになりました。
里親を探して、いろんな方に引き取って頂いて、最終的に4匹残りました。
−− 4匹だとお世話も大変ですね。
先生のところのネコちゃんはお散歩に出かけるんですか?
やまかみ 基本的に家飼いなんですけど、こないだ1匹ベランダから脱走して、大変
でした。
−− え? 見つかったんですか。
やまかみ 脱走したのが夜中だったので、朝を待ってお隣を訪ねて「うちのネコおじゃ
ましてませんか?」って聞いたら、お隣の奥さんがちょっと待ってくださいね、って
ベランダを捜してくれたんです。そしたら、本人(本猫?)はいないんですけどウン
チだけあります、って言うんですよ。
−− (爆笑!)うわっ、証拠品が〜〜〜
やまかみ それでまた、その隣のお宅にお邪魔させてもらってベランダを捜したら、
隅に小さくうずくまって震えてたんです。小さく、と言っても8キロもある子なんで
すけど。
−− 8キロって、一般的なネコの2倍じゃないですか!
トラみたいですね。全然小さくうずくまってないし(笑)
<インターナショナルBL文化>
−− ドイツやフランスでも日本のマンガやアニメが人気ですよね。
ドイツのBLファンの女の子が中国を経由して日本に行きたいという一念でたどり着
いたって言うお話もありましたね。
やまかみ 日本のマンガが人気があるとは聞いていますけど、BLも人気があるんで
しょうか? 時々、台湾の方や、英語圏の方からメールをいただいてびっくりするこ
ともあります。英語のメールにはすごく緊張しちゃいます。頑張って辞書を引いたり
して読んでます。
−− 日本のマンガをそのまま読むために、日本語を勉強している中国とか台湾のファ
ンの方々がたくさんいらっしゃるそうですね。すでにBLも日本発信の文化ですよね。
−− 学園ものの制服とか、デザインはどうなさってるんですか?
今は、昔みんなぺたんこにして持っていた黒い皮の学生鞄とか持っていないんですっ
てね。
やまかみ ネットで調べたり、自分でデザインしたりもしますけど、今風のを作るの
はむずかしいですね。幾つも描いてると、同じような感じになりがちですし。もっと
カワイイのを考えられるセンスを身につけたいです。
−− チェックの制服(「眠る嵐」の制服)カワイイですよ。制服って外国ではあま
り見ないですものね、外国のファンの方はそういうところも楽しいかも知れませんね。
<仕事場のBGMはイエモンとTV>
−− お仕事中は音楽とか聴いているんですか?
やまかみ テレビをつけっぱなしにしたり、i-podで音楽を聴いたりしてます。
−− どういうミュージックがお好きなんですか?
やまかみ イエローモンキーがすごく好きです。メンバーについてとか、そんなに詳
しくはないんですけど、彼等の音楽がすごく好きなんです。あとは平沢進とか。
−− 「剣風伝奇ベルセルク」の? ちょっとテクノっぽい?
やまかみ 平沢さんは「師匠」なんて呼ばれていて、テクノの神様のように言われて
る人なんですよ。あと・・・ミュージカルやゲームのサウンドトラックを聞いたり、
BLのドラマCDをかけたりもします。
<デキちゃうまでが楽しいの>
−− 今後のマンガのテーマとかは既にあるんですか。
やまかみ いえいえ、その時その時に考えます(笑) だいたい一番最初に頭に浮か
んだワンシーンが描きたいテーマだったりすることが多いです。それは「告白」のシー
ンだったり、何気ないショットだったり、人物でさえなくて、一つの風景だったり、
いろいろです。この先描いてみたいのは・・・ファンタジーものとか。
−− コミックス「飛ぶ、ココロ」に掲載されている作品は、みんなファンタジーな
フシギワールドでしたね。
ウサギさんが男の子になっているのがカワイくてフシギ。
やまかみ 実はあの頃、ウサギを飼ってたんです。
−− ウサギも飼っていたんですか? 動物好きなんですね。
やまかみ よく原稿のはしっこをかしかしかじられました。
−− おもしろいキャラが出てくるなあと思ったら、ウサギさんだなんて意表をつか
れました。(笑)
作家さんって、マンガに描いたキャラとご本人の性格が同じように思われたりしませ
んか?
やまかみ そうでしょうか? なるべく、自分と違うタイプのキャラが描けたらいい
なと思ってます。それに、あまり画一的にならないように心がけてます。
−− やまかみ先生の描かれるキャラは、いじらしかったりナマイキだったりとって
もカワイイですよね。
やまかみ ありがとうございます。(照)自分の中で「こんな風に描きたい」と思っ
て描き始めても、「紙」に描き起こしてみると思った通りのキャラにならなかったり、
思ったほどハジケた感じに出来なかったな、と思うことも多くて。もっと思い切った
ことをさせたいとか。後になってみると、「もっともっと」って思うことばっかりで
す。
−− 完成してないからおもしろいキャラになるんですね。
キャラの成長を見守りたくなりますもの。
やまかみ ここで主人公が出来上がっちゃったけど、もっと話が盛り上がってからに
した方がよかったかなとか後で思ったり・・・
−− デキちゃったあとに「超えた深い愛情」がありますよね。
やまかみ 読者としての立場だと、二人の関係が出来上がった後の話が読みたい!
と思ったりするんですけど、描き手としての立場からすると、「デキるまで」の過程
を描くのが一番楽しいんですよね。
−− そう・・・そうだったんですか?(大爆笑!)
<キャラクターは陰と陽で>
−− 今後描いてみたいキャラはありますか?
やまかみ いつも私の描くものは偏りがちなんですよね。よく描くタイプとしてこっ
ちのキャラが「陰」ならもう一人はすごく「陽」…という風に、正反対の性質を持っ
ている者を組み合わせる、というのが多いんです。そういう傾向からいうと、いわゆ
るベタベタのファンタジーという舞台なんかは「陰」と「陽」が際立つ世界だと思う
ので、やってみたいと思います。ファンタジーは読んだり観たりするのも好きですよ。
−− じゃあ、映画もお好きなんですか。
やまかみ ええ、ファンタジーもホラーもよく観ます。昨日はホラー映画の、「サイ
レントヒル」を観てきました。
−− アドベンチャーゲームですね。霧の棲む街「その街からは死んでも逃げられな
い」って言う・・・
やまかみ 原作のゲームファンにはこたえられない作りで、すごくおもしろかったで
すよ。観ながら「ああ、このシーンはゲームにあった!」とか、ゲームを再体験出来
て、すごく興奮しました。でも、ゲームをプレイしてない人が観たら、この映画のよ
さが分かって貰えるのかな? という点はちょっと心配でした。ラストもちょっとや
りきれない感じでしたし。
−− 他にお好きなものは?
やまかみ 炭水化物! 私、お米星人、あずき星人なんです。友達の間で、あるもの
に物凄くこだわる人間のことを○○星人って呼ぶんですけど、お米好き、あずき好き、
という点では、わたしはまさしくお米星人、あずき星人です。好きな食べ物をあげた
ら、ほとんどが炭水化物です。パンも麺も好き。あずきもTPOに応じて食べ分けた
いというか。たとえばあんパンは「こしあん」ですけど、あんマーガリンの時は「つ
ぶあん」じゃないと! とか。
−− (笑)こだわりますねぇ。
スポーツはどうですか?
マンガ家さんはスポーツが苦手な方が多いと聞きますが。
やまかみ 御多分に漏れず、ダメです。でも中学の時はテニス部だったんですよ。
−− なにかアニメの影響ですか?
やまかみ それはないです。何を間違ったのか・・・でも全然身につきませんでした。
−− 部活は「マン研」とかではないんですか?
やまかみ 高校時代は「天文同好会」に入ってました。その同好会の中に「マン研」
みたいなものがあったんで参加してました。でも同好会だから、週に1回しか集まら
ないんですよ。だから部活というほどの活動はしてなかったんですね。中学時代のテ
ニスの方が、部活らしい部活でしたよ。
−− 作品でしか知らなかったやまかみ先生の「歴史」をかいま見たようで、ホント
に楽しいお話でした。また、どんどんステキな男の子のLOVEストーリーを描いてくだ
さいね。楽しみにしています。
今日はどうもありがとうございました
炭水化物とあずきとゲームを愛し、4匹のネコと同居。〆切りは比較的守る、仕事は早い。「でも、一日のノルマを少なく設定しています。」(と、ご本人談)
代表作品に「ぴかぴかDAYs」(花恋コミックス 06,7/28発売)日本文芸社「そして恋になる」(Dariaコミックス 06,5/22発売)フロンティアワークス「たからもの上・下」(双葉社名作文庫)双葉社 他

<ネコ、大脱走事件>
−− マンガ家さんって「ネコちゃん派」が多くないですか?
散歩に出なくても済むし、ライフスタイルに合ってるってことでしょうか。
やまかみ 知り合いのマンガ家さんで犬を飼っている人もいますよ。でも私はネコ派
かな。
前に住んでいたマンションの近所で、ネコにエサをあげる人が結構いて、たくさんネ
コが集まってきてたんです。そのネコたちがまた恋をして、どんどん増えちゃったん
ですよ。
−− あ、子猫を見つけたらほっとけないんですね。
やまかみ そうなんです。次々拾ってきて、多いときは10匹くらいになりました。
里親を探して、いろんな方に引き取って頂いて、最終的に4匹残りました。
−− 4匹だとお世話も大変ですね。
先生のところのネコちゃんはお散歩に出かけるんですか?
やまかみ 基本的に家飼いなんですけど、こないだ1匹ベランダから脱走して、大変
でした。
−− え? 見つかったんですか。
やまかみ 脱走したのが夜中だったので、朝を待ってお隣を訪ねて「うちのネコおじゃ
ましてませんか?」って聞いたら、お隣の奥さんがちょっと待ってくださいね、って
ベランダを捜してくれたんです。そしたら、本人(本猫?)はいないんですけどウン
チだけあります、って言うんですよ。
−− (爆笑!)うわっ、証拠品が〜〜〜
やまかみ それでまた、その隣のお宅にお邪魔させてもらってベランダを捜したら、
隅に小さくうずくまって震えてたんです。小さく、と言っても8キロもある子なんで
すけど。
−− 8キロって、一般的なネコの2倍じゃないですか!
トラみたいですね。全然小さくうずくまってないし(笑)
<インターナショナルBL文化>
−− ドイツやフランスでも日本のマンガやアニメが人気ですよね。
ドイツのBLファンの女の子が中国を経由して日本に行きたいという一念でたどり着
いたって言うお話もありましたね。
やまかみ 日本のマンガが人気があるとは聞いていますけど、BLも人気があるんで
しょうか? 時々、台湾の方や、英語圏の方からメールをいただいてびっくりするこ
ともあります。英語のメールにはすごく緊張しちゃいます。頑張って辞書を引いたり
して読んでます。
−− 日本のマンガをそのまま読むために、日本語を勉強している中国とか台湾のファ
ンの方々がたくさんいらっしゃるそうですね。すでにBLも日本発信の文化ですよね。
−− 学園ものの制服とか、デザインはどうなさってるんですか?
今は、昔みんなぺたんこにして持っていた黒い皮の学生鞄とか持っていないんですっ
てね。
やまかみ ネットで調べたり、自分でデザインしたりもしますけど、今風のを作るの
はむずかしいですね。幾つも描いてると、同じような感じになりがちですし。もっと
カワイイのを考えられるセンスを身につけたいです。
−− チェックの制服(「眠る嵐」の制服)カワイイですよ。制服って外国ではあま
り見ないですものね、外国のファンの方はそういうところも楽しいかも知れませんね。
<仕事場のBGMはイエモンとTV>
−− お仕事中は音楽とか聴いているんですか?
やまかみ テレビをつけっぱなしにしたり、i-podで音楽を聴いたりしてます。
−− どういうミュージックがお好きなんですか?
やまかみ イエローモンキーがすごく好きです。メンバーについてとか、そんなに詳
しくはないんですけど、彼等の音楽がすごく好きなんです。あとは平沢進とか。
−− 「剣風伝奇ベルセルク」の? ちょっとテクノっぽい?
やまかみ 平沢さんは「師匠」なんて呼ばれていて、テクノの神様のように言われて
る人なんですよ。あと・・・ミュージカルやゲームのサウンドトラックを聞いたり、
BLのドラマCDをかけたりもします。
<デキちゃうまでが楽しいの>
−− 今後のマンガのテーマとかは既にあるんですか。
やまかみ いえいえ、その時その時に考えます(笑) だいたい一番最初に頭に浮か
んだワンシーンが描きたいテーマだったりすることが多いです。それは「告白」のシー
ンだったり、何気ないショットだったり、人物でさえなくて、一つの風景だったり、
いろいろです。この先描いてみたいのは・・・ファンタジーものとか。
−− コミックス「飛ぶ、ココロ」に掲載されている作品は、みんなファンタジーな
フシギワールドでしたね。
ウサギさんが男の子になっているのがカワイくてフシギ。
やまかみ 実はあの頃、ウサギを飼ってたんです。
−− ウサギも飼っていたんですか? 動物好きなんですね。
やまかみ よく原稿のはしっこをかしかしかじられました。
−− おもしろいキャラが出てくるなあと思ったら、ウサギさんだなんて意表をつか
れました。(笑)
作家さんって、マンガに描いたキャラとご本人の性格が同じように思われたりしませ
んか?
やまかみ そうでしょうか? なるべく、自分と違うタイプのキャラが描けたらいい
なと思ってます。それに、あまり画一的にならないように心がけてます。
−− やまかみ先生の描かれるキャラは、いじらしかったりナマイキだったりとって
もカワイイですよね。
やまかみ ありがとうございます。(照)自分の中で「こんな風に描きたい」と思っ
て描き始めても、「紙」に描き起こしてみると思った通りのキャラにならなかったり、
思ったほどハジケた感じに出来なかったな、と思うことも多くて。もっと思い切った
ことをさせたいとか。後になってみると、「もっともっと」って思うことばっかりで
す。
−− 完成してないからおもしろいキャラになるんですね。
キャラの成長を見守りたくなりますもの。
やまかみ ここで主人公が出来上がっちゃったけど、もっと話が盛り上がってからに
した方がよかったかなとか後で思ったり・・・
−− デキちゃったあとに「超えた深い愛情」がありますよね。
やまかみ 読者としての立場だと、二人の関係が出来上がった後の話が読みたい!
と思ったりするんですけど、描き手としての立場からすると、「デキるまで」の過程
を描くのが一番楽しいんですよね。
−− そう・・・そうだったんですか?(大爆笑!)
<キャラクターは陰と陽で>
−− 今後描いてみたいキャラはありますか?
やまかみ いつも私の描くものは偏りがちなんですよね。よく描くタイプとしてこっ
ちのキャラが「陰」ならもう一人はすごく「陽」…という風に、正反対の性質を持っ
ている者を組み合わせる、というのが多いんです。そういう傾向からいうと、いわゆ
るベタベタのファンタジーという舞台なんかは「陰」と「陽」が際立つ世界だと思う
ので、やってみたいと思います。ファンタジーは読んだり観たりするのも好きですよ。
−− じゃあ、映画もお好きなんですか。
やまかみ ええ、ファンタジーもホラーもよく観ます。昨日はホラー映画の、「サイ
レントヒル」を観てきました。
−− アドベンチャーゲームですね。霧の棲む街「その街からは死んでも逃げられな
い」って言う・・・
やまかみ 原作のゲームファンにはこたえられない作りで、すごくおもしろかったで
すよ。観ながら「ああ、このシーンはゲームにあった!」とか、ゲームを再体験出来
て、すごく興奮しました。でも、ゲームをプレイしてない人が観たら、この映画のよ
さが分かって貰えるのかな? という点はちょっと心配でした。ラストもちょっとや
りきれない感じでしたし。
−− 他にお好きなものは?
やまかみ 炭水化物! 私、お米星人、あずき星人なんです。友達の間で、あるもの
に物凄くこだわる人間のことを○○星人って呼ぶんですけど、お米好き、あずき好き、
という点では、わたしはまさしくお米星人、あずき星人です。好きな食べ物をあげた
ら、ほとんどが炭水化物です。パンも麺も好き。あずきもTPOに応じて食べ分けた
いというか。たとえばあんパンは「こしあん」ですけど、あんマーガリンの時は「つ
ぶあん」じゃないと! とか。
−− (笑)こだわりますねぇ。
スポーツはどうですか?
マンガ家さんはスポーツが苦手な方が多いと聞きますが。
やまかみ 御多分に漏れず、ダメです。でも中学の時はテニス部だったんですよ。
−− なにかアニメの影響ですか?
やまかみ それはないです。何を間違ったのか・・・でも全然身につきませんでした。
−− 部活は「マン研」とかではないんですか?
やまかみ 高校時代は「天文同好会」に入ってました。その同好会の中に「マン研」
みたいなものがあったんで参加してました。でも同好会だから、週に1回しか集まら
ないんですよ。だから部活というほどの活動はしてなかったんですね。中学時代のテ
ニスの方が、部活らしい部活でしたよ。
−− 作品でしか知らなかったやまかみ先生の「歴史」をかいま見たようで、ホント
に楽しいお話でした。また、どんどんステキな男の子のLOVEストーリーを描いてくだ
さいね。楽しみにしています。
今日はどうもありがとうございました

